高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.12 わたしのりんかく
2025年2月1日(土)-3月16日(日)
高松市美術館
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/
開館時間:9:30–17:00(金・土は19:00まで)入室は閉館30分前まで
休館日:月(ただし2/24は開館)、2/25
企画担当:尾形絵里子(高松市美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/exhibitions/exhibition_2024/exhibition_2024/ex_20250201.html
参加アーティスト:横山翔平、國久真有、矢野恵利子、新宅加奈子、山下麻衣+小林直人
高松市美術館では、独自性のある優れたアーティストを紹介する、年に一度の現代美術のグループ展「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」を開催する。2009年の「vol.00」にはじまり、13回目の開催となる本展では、「わたしのりんかく」をテーマに、それぞれの視点から自分自身につながる作品を生み出すアーティストを紹介。横山翔平、國久真有、矢野恵利子、新宅加奈子、山下麻衣+小林直人の4名+1ユニットの作品を展示する。
横山翔平(1985年岡山県生まれ)は、高温の炉で熱されたガラスを成形できるわずかな時間で、一瞬のうちにさまざまな判断を下し、熱したガラスに息を吹き込んだり、身体を大きく使って練ることで、自身の思考や身体が映し出された有機的な印象を与えるガラス作品を制作している。近年の主な展覧会に、「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」(サントリー美術館、東京、2023)、「北陸のガラス作家たち 多様化するガラス造形(富山市ガラス美術館、2018)、「素材の息吹―発展する工芸のかたち―」(黒部市美術館、富山、2017)、「ビエンナーレTOYAMA 2017」(富山県美術館)など。2014年と2020年に石川県能登島ガラス美術館に作品が収蔵され、2022年には第15回岡山県新進美術家育成「I氏賞」大賞を受賞。本展では、練りガラスによる作品群のほか、新たな展開を迎えた新作を展示する。
國久真有(1983年大阪府生まれ)は、自身の身体を軸に、腕を伸ばして遠心力による動きにより弧線を描き重ねる絵画を展開してきた。大きな画面の中央にたびたび表れる空白は、自身の腕が届かなかった身体的な限界を示すとともに、人が侵すことのできない領域を表している。近年の主な展覧会に、「川崎市市制100周年記念展 芸術は、自由の実験室─夏のアートキャンプ」(川崎市岡本太郎美術館、2024)、個展「咲くやこの花賞受賞記念展示「國久真有 PLATEAU─儚さと無我を愛する、ぐるぐる─」(クリエイティブセンター大阪、2024)、個展「國久真有―絵画を生きる」(西脇市岡之山美術館、兵庫、2022)、「fの冒険―7人のアーティストによる平面表現の魅力―」(あまらぶアートラボ「A-Lab」、兵庫、2020-2021)など。2019年に第22回岡本太郎現代芸術賞特別賞、2022年に令和4年度咲くやこの花賞 美術部門(現代美術)を受賞。本展では、全長20メートルの《WIT-WIT HOLEWIDE LONG PLATEAU》を含めた大作を展示。また、関連イベントとしてライブペインティングや参加型プログラムを開催する。
横山翔平《Amorphous 21-1》2021年
國久真有《BPM》2019年 写真提供:川崎市岡本太郎美術館
矢野恵利子(1987年香川県生まれ)は、日常を過ごすなかで生じる感情から作品を立ち上げ、あそびの要素を差し込むことでユーモラスに可視化し、そこに含まれるネガティブな感情の解消方法を模索する。表現方法は陶芸や漫画など多岐に渡り、近年は鑑賞者が参加できるキネティックアートの作品も発表している。2018年にアイルランドのレジデンスに参加し、2020年の帰国後は香川県を拠点に活動。近年の主な個展に、「コレクト・ビジター 正しい訪問」(広島芸術センター、2023)、「NEVER UNDER CONTROL」(浜松市鴨江アートセンター、静岡、2021)、「HOLIDAY MACHINE」(The Guesthouse Project、アイルランド、2018)など。グループ展に、「あたらしい場所」(アートギャラリーミヤウチ、広島、2023)、瀬戸内国際芸術祭2022「せとうちの大気 美術の視点」(香川県立ミュージアム)など。本展では、自身が経験した日常の出来事を漫画風に表現し、「うさこ」が追体験するシリーズの新作を約20点展示。さらに、矢野が「うさこ」について語る映像による新作インスタレーションを発表する。
新宅加奈子(1994年大分県生まれ)は、「今ここにいる」という感覚を確認する方法として、自身の身体に絵の具を垂らし、乾きひび割れる絵の具を肌で感じるパフォーマンスや、その姿を写したセルフポートレートを制作している。近年の主な個展に、「embodiment Shintaku Kanako solo exhibition」(Kunstarzt、京都、2019)、「indication Shintaku Kanako solo exhibition」(京都写真美術館、2019)など。グループ展に、「東 京都 展 The Echoes of EAST KYOTO」(WHAT CAFE、東京、2024)、「Up_01」(銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM、東京、2021)など。「ヨコハマトリエンナーレ2020 エピソード00 」(プロット48、神奈川、2019)や「raw─精神と肉体の展覧会」(京都芸術センター、2020)などでパフォーマンスを発表。「Kyoto Art for Tomorrow 2020 −京都府新鋭選抜展−」NHK京都放送局賞、IAG AWARD 2020 奨励賞を受賞。本展では、皮膚の上で変化する絵の具をとらえた写真作品や、固まった絵の具による平面作品や立体作品を展示するほか、初日にパフォーマンスを行なう。
山下麻衣(1976年千葉県生まれ)と小林直人(1974年千葉県生まれ)は、動植物や自然を含めた他者との関わりを通して制作を行ない、映像インスタレーションを中心に作品を発表している。2001年から公式にユニットとしての活動を開始し、ともに東京藝術大学大学院を修了後にドイツへ渡り、ベルリンを拠点にしながら各国のレジデンスプログラムに参加。2012年まで海外で活動し、現在は千葉県を拠点にしている。近年の主な個展に、「山下麻衣+小林直人 他者に対して、また他者と共に」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2024)、「山下麻衣+小林直人−もし太陽に名前がなかったら−」(千葉県立美術館、2023)、「蜃気楼か。」(黒部市美術館、2021)など。バンコク・アート・ビエンナーレ2024や、瀬戸内国際芸術祭2019などの国際展に参加。本展では、大学在籍時に制作した作品や瀬戸内国際芸術祭出品作品のほか。自室を自身の輪郭の一種ととらえ、展示室と自宅の一部を重ねる《Around The Corner》や、美術館に隣接する路地裏で展開される《ただ独り歩め》などの新作を発表する。
矢野恵利子《Ninoshima》2023年 photo by Mutsumi Tomosada
新宅加奈子《I’m still alive》2019年 photo by Nobutada Omote / Sandwich
山下麻衣+小林直人《世界はどうしてこんなに美しいんだ》2019年(瀬戸内国際芸術祭 2019での展示風景)
Courtesy of the Artists and Takuro Someya Contemporary Art
関連イベント
アーティスト・トーク
2025年2月1日(土)13:00–15:30(開場:12:45)
出演:横山翔平、國久真有、矢野恵利子、新宅加奈子、山下麻衣+小林直人
会場:高松市美術館1階講堂
定員:先着100名(事前申込不要)、無料
新宅加奈子:ライブパフォーマンス
2025年2月1日(土)16:30–18:30
出演:新宅加奈子
会場:高松市美術館2階展示室
無料(要観覧券)
國久真有:ライブペインティング
2025年2月1日(土)-2月11日(火・祝)※イベント出演や休憩のため制作を行なっていない時間帯あり
出演:國久真有
会場:高松市美術館1階エントランスホール
無料
國久真有:参加型プログラム「WIT-WIT DRAWING」
2025年2月1日(土)-3月16日(日)
対象:不問(小さな子どもは要保護者同伴)
持ち物:汚れてもよい服装
会場:高松市美術館1階エントランスホール
無料
ギャラリートーク
学芸員|2025年2月2日(日)14:00–
ボランティアcivi|会期中の日曜、祝日 ※各日とも14:00–(ただし2/2を除く)
会場:高松市美術館2階展示室
聴講料:無料(要観覧券)
ミニコンサート「うたのりんかく」
2025年2月22日(土)13:30–14:00
演奏者:大山晃(バリトン)、青木香璃(箏)、大山まゆみ(ピアノ)
会場:高松市美術館1階エントランスホール
定員:70名程度(事前申込不要)、無料
ふらっとアート「わたしのりんかくをつくろう」
2025年2月1日(土)-3月16日(日)
会場:高松市美術館中2階こども+(プラス)
無料
同時期開催
2024年度 コレクション展4
2025年1月7日(火)-3月30日(日)
高松市美術館1階常設展示室
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/exhibitions/exhibition_2024/collection_2024/da_20250107.html
特別企画「藤安淳展 かさなるひかり」
2025年1月21日(火)-3月16日(日)
高松市美術館1階図書コーナー
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/hukyuutest/ev_2024/events_2024/ev_20250121.html
第42回日本伝統漆芸展
2025年3月8日(土)-3月30日(日)
高松市美術館