東京電力福島第一原発周辺の除染現場で働く作業員の交流会が6日、福島県郡山市であった。複数の参加者が朝日新聞の取材に対して、建物や道路から20メートル内の本格除染に先駆けて作業拠点となる役場などで実施した先行除染でも、回収しなければならない枝葉や水を捨てる「手抜き除染」をしていたと証言した。
【特別報道部から】除染の実態や労働状況について情報を求めます楢葉町で昨夏、先行除染をした作業員は「1次下請けの監督から『まじめにやってくれているのはいいけど、向こうに捨ててもいいんじゃないの』と言われ、枝葉を川に捨てた」と証言。葛尾村で先行除染をした作業員は「7月ごろ建物を洗浄した水をそのまま流していた。環境省の職員が来る日だけやらないように指示された」と語った。
交流会は労働組合や弁護士らでつくる支援団体「被ばく労働を考えるネットワーク」などが主催。約20人の作業員が参加し、特殊勤務手当(危険手当)が適正に支給されていないことについて環境省に改善を求める方針を決めた。