独ベルリンで抗議デモ、警察発表で16万人が参加 議会での極右との協力を非難

独連邦議会前に集まった抗議者たち

画像提供, Reuters

独ベルリンで2日、複数の政党が極右勢力とは協力しないという、第2次世界大戦後の独政界での「タブー」を破ったとして、大規模な抗議デモが行われた。

警察によると、2日には推定約16万人が抗議に参加した。集会はドイツの連邦議会前で始まり、人々はCDUの本部に向かって進んだ。

ドイツ議会では1月29日、連邦政府に国境および亡命規則の厳格化を求める決議案が採択された。この際、いつくかの政党が極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と共に支持に回った。

この決議案を提出したキリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首は31日にも、移民の数と家族との再会権を抑制する法案を提出し、AfDの支持に頼ろうとした。この法案はオラフ・ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)を含む複数の政党が反対し、350対338で否決された。

こうした議会での一連の動きは、大勢の国民の怒りを買った。

抗議デモの主催者はこのところの動きを、連邦議会で極右と協力しないというドイツ国内の合意を破るものとみており、それを非難するために人々が集まったと述べた。

1日にも、ドイツ全土で同様の抗議が行われた。ドイツでは3週間後に総選挙が予定されている。

2日のデモに参加したアンナ・シュヴァルツさん(34)はAFP通信に対し、「もう目を背けることはできない」と述べ、初めて政治集会に参加したと語った。

「自称『民主的』な政党にこの国の民主主義を守るよう呼びかけるために、できるだけ多くの声を上げたい」

CDUは現在、支持率調査で1位となっており、メルツ氏は次期首相と目されている。AfDは2位につけているが、メルツ氏は、AfDとのいかなる形の連立も否定している。

メルツ氏が取った戦略は広く非難されており、CDU前党首のアンゲラ・メルケル前首相も、議会でAfDと協力しないという約束をメルツ氏が守らなかったと批判した。

一方、メルツ氏は自身の行動を「必要なもの」と擁護し、AfDの支持を求めたわけではないと述べた。また、「間違った人々が支持しているからといって、その政策が間違っているわけではない」としている。