なぜ大勢が「#14の時の自分」と写真をSNSに？
ロジーナ・シニ、BBCソーシャルニュース
画像提供, @Alyssa_Milano/Twitter
米国を中心にソーシャルメディアで大勢が「#MeAt14（14の時の自分）」というハッシュタグと共に、自分が14歳だった時の写真を投稿している。米国では州によって性行為の同意年齢の下限が16歳から18歳とまちまちだが、保守系ニュース司会者が14歳でも同意の上の性行為はあり得ると発言したことから、大勢が反発してソーシャルメディアで抗議行動に出ている。
「#MeAt14」の動きは、米紙ワシントン・ポストが9日、アラバマ州の上院補選で共和党候補のロイ・ムーア判事（70）について、女性4人が実名で、それぞれ10代のころに当時30代でアラバマ州の副地方検事だったムーア判事に、性的に体を触られたと訴える記事を掲載したのを機に始まった。名乗り出た女性の一人は、当時14歳だったと話している。
保守強硬派のムーア判事は記事内容を全面否定し、「魔女狩りだ」と反発している。
保守系フォックス・ニュースの司会者ショーン・ハニティーさんがラジオ番組でムーア氏を擁護し、女性たちへの行動について「同意」の有無を話題にした。これについてハ二ティーさんに非難が集中し、同氏はその後、「失言だった」と謝罪している。
しかしこれを機に、ツイッターでは「#MeAt14」のハッシュタグと共に10代前半のころの自分の写真を投稿する人が相次ぎ、いったい14歳の子供がどうやって性行為にまともに同意できるほど精神的に成熟していると思えるのかを問いただしている。
最初にこのハッシュタグを使ったのはノースカロライナ州の弁護士キャサリン・R・L・ローソンさん。9日深夜に登場して以来、すでに5万回以上、使われている。
ローソンさんは「14では同意できない。アラバマでも。どこだろうと。#14の時の自分」と写真と共にツイートした。
ローソンさんはBBCに対して、「これは受け入れられる話なんだと言おうとしても、そんなことはあり得ないんだと言うために、自分が14歳の時の写真を共有した。10代の子供は大人の男性との関係に、決して同意などできない。法的な同意年齢の問題ではなくて、私たちは子供を守らなくてはならないんだという社会の共有価値観の確認です」と話した。
米国では州によって同意年齢の下限が異なり、最も若くて16歳。17歳や18歳の州もある。
ローソンさんのツイートに続き、人気トーク番組「デイリー・ショー」のスタッフ、リズ・ウィンステッドさんが自分の写真と共に「あなたは14の時、どういう子だった？」と投稿し、他の人にも投稿を促したのを機に、「#MeAt14」は広がり始めた。
ウィンステッドさんは、「これが14の時の私。体操クラブの選手で合唱隊にも入っていた。32歳の男とつきあったりしてなかった。あなたは14の時、どういう子だった？ 写真と一緒に、どういう子だったかツイートして。#自分が14の時 #ノー・ムーア」とツイートした。
自分のプロフィール写真を変更して、自分が14歳の時の話をツイートする人が増えた。「これが14の時の自分。グリー・クラブに入っていて、美術の学生だった。リボンでヘアピンを作って、週末はベビーシッターだった」と書いた人もいた。
「社会科見学に参加するのに保護者の許可が必要な子は、（性行為に）同意なんてできない」とツイートした人もいた。
マリー・デルスさんはウィンステッドさんに答えて、「これが14の時の自分。プリンスのものすごいファンだったけど、32歳の男とつきあったりしていないし、うちのママは怖すぎて私と付き合っていいかなんて聞けなかったはず」とツイートした。
サンドラ・ロンディーノさんは「これが14の時の自分。32歳の男とつきあったりしてなかった。馬に乗って、バスケットボールをして、高校の1年目を必死で生き延びようとしていた」と書いた。
別の人は、「『#MeAt14』ハッシュタグは好きだけど、子供は子供時代を子供として過ごす権利があるはずと証明するため、女性たちが写真を証拠として提出しなきゃならないなら、暗黒の時代だ」と書いた。
女優アリッサ・ミラノさんをはじめ、複数の著名人もこのハッシュタグを使っている。ミラノさんは、性的加害行動の被害者の連帯のため、「#MeToo（私も）」ハッシュタグの活用を呼びかけた一人だった。
ミラノさんは「14の時の自分。弟が大好きで、犬のプッチを愛していた。バンドのOMDが大好きで、髪の毛をぶわっとさせてて、幸せで、イノセントだった」と書いた。
テレビ司会者のケイティー・クーリックさんは、「チョコチップ・クッキーの記事をやたら食べていて、『ハッスル』ダンスを練習していて、32歳の男にハッスルされるかもしれないなんて心配してなかった」と書いた。
