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スタバと二郎系ラーメン「ほぼ同じカロリー」ツイートが拡散→誤り

スタバのフラペチーノと二郎系ラーメンのカロリーについて「ほぼ同じ」とするツイートが出回っていますが、「誤り」です。ファクトチェックしました。

コーヒーチェーン大手「スターバックスコーヒー」の商品と、背脂トッピングやボリューミーさなどが特徴の「二郎系ラーメン」について、カロリーが「ほぼ同じ」とするツイートが広く拡散している。

いま販売されている商品のエネルギー量(カロリー)が、こってりしたラーメンと同じととれる内容だ。しかし、添付された画像の商品は現行のものではないうえ、カロリーもラーメンが大きく上回っている。ツイートは「誤り」だ。

BuzzFeed Newsは、食生活相談や栄養指導を行っている「日本パーソナル管理栄養士協会」(千葉県)の三城円・代表理事の協力を得て、ファクトチェックした。

「ほぼ同じカロリーです」=誤り

ツイートは7月27日、7.5万フォロワーの「バズラボ大全集【極】」から投稿された。

左側にスタバの商品、右側に二郎系のラーメンの画像を並べ、「ほぼ同じカロリーです」としている。

8月30日現在、19.8万いいね、2.5万リツイートと広く拡散している。

ツイートには、「衝撃すぎです」「え、まじか」といったコメントや、「二郎のあとにスタバいってる俺は……」と憂いている人もいた。

画像の出典元は?

バズラボがツイートしたスタバの商品と二郎系ラーメンの画像を並べた画像の出典元はどこか。

Twitter上で検索すると、2017年12月27日に同様の画像を添付し、「置き換え術」「ほぼ同じカロリー」とツイートした別のアカウントが見つかった。

このツイートは4.5万いいね、3.6万リツイートと広く拡散。それ以降、ネット上に同様の写真が散見されるようになっている。

スタバの商品は何?カロリーは?

スターバックスジャパンの過去のプレスリリースなどを見ると、ツイートの画像に使われたのは、2015年6月から期間限定で販売された「チョコレートクランチフラペチーノ」(現在は販売終了)とみられる。

デザート感覚で楽しめるチョコレートクランチフラペチーノは販売直後から注目を集め、ネット上では飲んだ感想等に関する当時の記事が残っている。

スタバ公式サイトが過去に公開していた「キロカロリー・アレルゲン情報」によると、チョコレートクランチフラペチーノ(ミルク使用)のエネルギー量は、ショートサイズ=513、トール=581、グランデ=831、ベンティ=1044だった。

なお、スターバックスジャパンの現行商品の栄養成分は、公式サイトで検索できる。

二郎のカロリーは?

二郎系ラーメンのエネルギー量はどうか。

BuzzFeed Newsは日本パーソナル管理栄養士協会の三城円さんに協力を依頼。原材料などが記載されているネット通販の二郎系ラーメンの栄養成分を分析してもらい、カロリーを推計してもらった。

二郎系ラーメンは、麺の量が多いという特徴がある。中華麺は150グラムで300キロカロリー。一方、二郎系ラーメンは一食分で300グラムが一般的といわれているため、麺だけで600キロカロリーになる。

スープの原材料には、背脂や味付け脂などが含まれていた。これらにチャーシューや大盛り野菜の分量を換算して推計すると、およそ2000キロカロリーになるという。

結果は……

チョコレートクランチフラペチーノは、トールで581キロカロリー、最大のベンティで1044キロカロリーだった。さらに、この商品は現在、販売されていない。

つまり、推計約2000キロカロリーの二郎系ラーメンは、チョコレートクランチフラペチーノのトールより3.4倍、ベンティサイズと比べても1.9倍という計算になる。

よって、出回ったツイートにある「ほぼ同じカロリー」というのは、誤りだ。以前の商品の画像を、そう明記せず使っている点にも、問題がある。

幸せな食事とカロリーの関係についての三城さんのインタビューはこちら


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。