60代を迎えましたか? ようこそ「シニアクラブ」へ! とはいえ、60~75歳は「シニア」の中でも比較的若い部類とされています。「まだ若々しくて健康そのもの」と感じる方には、少し意外に思えるかもしれませんね。
しかし、この年代になると、慢性疾患のリスクやその管理について考える機会が増えることもあります。「予防は一分の価値あり」という言葉があるように、今から体を動かす習慣を始めることは非常に重要です。運動を習慣化するためには、グループでの運動に参加するのも効果的な方法です。仲間と一緒に取り組むことでやる気が持続し、自分を律するきっかけにもなります。
この年代では、自重を使ったクローズドチェーンの複合運動をやや高めの強度で行うことが推奨されています。たとえば、太極拳、ウォーキング、自重トレーニングなどは、関節への負担が少なく、グループで行いやすい運動です。これらは心身の健康を維持するだけでなく、感情面や社会的な健康も支える効果があります。
これらの運動には次のような効果が期待できます。
- バランス能力の向上による転倒予防
- 関節の可動域の維持
- 代謝の改善
- アクティブな生活を支え、生活の質を向上
実際、これらの運動は医療現場でもその効果が認められており、あなた自身も同じような恩恵を実感できるはずです。
ただし、新しい運動を始める際は、特に年齢を重ねた人ほど、医療の専門家に相談することを忘れないようにしましょう。
60代のための5つのエクササイズ
1. ベアクロール(クマ歩き)
ベアクロールは、全身をしっかり使うことができる効果的な運動です。適度な疲労感が心地よく、特に体幹を鍛えるのに最適です。この運動は、廊下や庭などの広めのスペースがあると取り組みやすいでしょう。ただし、ペットを飼っている場合には注意が必要です。飼い主が低い姿勢で動くと、犬や猫が興奮することがあります。一緒に楽しい運動パートナーとして楽しむのも良いですし、ペットを一時的に別の部屋に移しておくのもおすすめです。
手順
- 両手と膝を床につけた状態から、プッシュアップ(腕立て伏せ)の姿勢を取ります。腕をまっすぐ伸ばし、つま先を床につけて準備します。
- 右手と左足を前に動かし、その後左手と右足を前に動かします。動作はゆっくり行い、1歩ごとに約2秒かけるよう意識しましょう。
- 右手と左足を動かし、続けて左手と右足を動かす動作を1回の「ステップ」として数えます。1セットで30ステップを目標にし、3セット行いましょう。
- セット数や回数、歩くパターンを調整して、自分のペースで工夫しながら楽しんでください。
アレンジ方法
体が動きに慣れるまでは、膝をつけた状態で手足を動かす方法から始めると良いでしょう。
2. プランク
プランクは、体幹を鍛えるための定番エクササイズです。「船の上を歩く」必要はありません! リビングルームなど、快適な環境で気軽に始められます。
手順
- 床にうつ伏せになり、足を約30センチほど開きます。手を肩幅より少し広めに置き、手のひらを床につけます。肘を曲げた状態から、腕を伸ばして体を持ち上げます。このとき、肩が手の上に来るように調整してください。体幹をしっかり使い、体を頭から足先まで一直線に保ちます(板のように)顔は少し前を向き、頭を上げておくと良いでしょう。
- この姿勢をできるだけ長くキープします。目標は最大1分間ですが、無理をしない範囲でチャレンジしましょう。この1分間が1回分の「繰り返し」に相当します。
- 3回の繰り返しを目指し、各セットの間に1分間の休憩を取ります。
プランクは初めは少し難しく感じるかもしれませんが、継続することで体幹が鍛えられ、徐々に長くキープできるようになります。
アレンジ方法
最初は長くキープできなくても気にしないでください。プランクは意外と難しいエクササイズですが、練習を続けることで必ず上達します。必要に応じて膝を床につけて一時的に休む方法もあります。ただし、呼吸を整えたら、できるだけ早くプランクの姿勢に戻るよう心がけましょう。
3. バーピー
バーピーに馴染みのある人は、「60代以上の運動にこれが入るの?」と驚くかもしれません。確かに難易度は高めですが、適切なアレンジを加えれば、無理なく挑戦することができます。
手順
- 足を肩幅に開いて立ち、手は体の横に自然に下ろします。
- しゃがんで手を床につけ、そのままプッシュアップ(腕立て伏せ)の姿勢になります。
- プッシュアップを1回行ったら、片足ずつ手の近くに戻して立ち上がります。
- 立ち上がる動作の最後に、軽くジャンプを加えることで運動の強度を高めます。
- 立った状態からプッシュアップを行い、再び立ち上がるまでの一連の動作を1回とします。1セットで12回を目標にし、3セットを行ってみましょう。
アレンジ方法
- プッシュアップが難しい場合は膝を床につけて行うことで負荷を軽減できます。
- ジャンプがきつい場合は最後のジャンプを省略しても問題ありません。
- 背中や膝に違和感がある場合は椅子やカウンターを使って体を支えながら動作を行うと、安全に取り組めます。
4. ファーマーズキャリー(農夫の運搬歩行)
ファーマーズキャリーは、背骨や体幹を強化するのに非常に効果的なエクササイズです。持続的に重量を管理しながら行うことで、全身の安定性を高める効果があります。
注意
この運動には広めのスペースが必要です。家の中を歩いたり、屋外で距離を伸ばして行ったりするのがおすすめです。
手順
- 立った状態で、両手にウェイトを持ちます。初心者の場合は、約1キログラム(2ポンド)の軽めのウェイトから始めると良いでしょう。姿勢をまっすぐ保ち、肩が重さで下がらないように、肩の筋肉を意識して使います。
- 家の中や屋外で、ウェイトを持ったままゆっくりと歩きます。動作中は、体幹を意識してまっすぐな姿勢を保ちましょう。
- この動作を少なくとも2分間行います。2分間を1セットとして、3セットを目指してみましょう。
ファーマーズキャリーは、自分の体力や耐久力に応じて調整が可能なエクササイズです。時間やウェイトの重さを試しながら、自分に合った方法で行ってください。
アレンジ方法
必要に応じて、0.5キログラム(1ポンド)の軽いウェイトから始めても問題ありません。もし、ウェイトを握り続けるのが難しい場合は、手首に巻きつけられるカフウェイトを使用するのも良いでしょう。
5. スレッド・ザ・ニードル(糸通しストレッチ)
スレッド・ザ・ニードルは、プランクに似た基本姿勢から体幹を鍛えながら、肩や背骨の可動性を高める運動です。ベアクロールと同様に、ペットがそばにいる場合は、興味を示して遊びたがることがあるので注意しましょう。
手順
- 床で四つん這いの姿勢を取ります。両腕はまっすぐ伸ばし、膝は腰の真下に置きます。背中はまっすぐで、中立姿勢を保ちましょう。
- 左手を床につけたまま、右腕を天井に向かって伸ばします。このとき、頭を動かして腕の動きを目で追いましょう。その姿勢を3秒間キープします。
- 右腕を元に戻し、そのまま体の下を左側に滑らせ、右肩が床につくまで動かします。この姿勢を3秒間キープします。
- 四つん這いの姿勢に戻り、同じ動作を繰り返します。これを10回行い、反対側の腕でも同様に行います。
アレンジ方法
腕があまり高く上がらない場合は、無理せず快適な範囲で動かしましょう。体の下に腕を通す動作も、無理のない範囲で行うことを心がけてください。
これらの運動を組み合わせることで、60代を思い切り楽しみ、充実した毎日を送ると同時に、「高齢期」に向けた準備を整えることができます。むしろ、「高齢期」ではなく「アクティブシニア」と呼ぶ方がふさわしいかもしれませんね!
この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。
(翻訳編集 華山律)
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