衆議院予算委員会は29日に予定していた2025年度予算案の審議入りを見送ることになった。この決定は、自民党旧安倍派の会計責任者の参考人招致をめぐる与野党の対立が原因である。
28日、衆院予算委員会は断続的に理事懇談会を開き、新年度予算案の審議日程について協議を重ねた。しかし、野党側が求める自民党旧安倍派の元会計責任者の参考人招致について、与野党の意見が折り合わなかった。
野党側は、自民党派閥の裏金事件の実態解明のために、旧安倍派の会計責任者を参考人として招致する必要があると主張した。立憲民主党などは、国会の政治倫理審査会での旧安倍派幹部の弁明と、裁判での元会計責任者の説明に食い違いがあるとして、予算委員会での参考人招致を求めている。
一方、自民党は参考人招致に反対の立場を示した。自民党は、裏金事件の刑事処分はすでに終わっていることや、立法府は司法で判断が出たものに立ち入るべきではないなどの理由を挙げている。また、自民・公明両党の幹部は、参考人招致は全会一致の原則に基づくべきだとの基本姿勢を確認した。
この対立により、与党側が目指していた29日の予算委員会での新年度予算案の審議入りは見送られることとなった。
安住淳衆院予算委員長は「残念ながら与野党で参考人の聴取をどうするかについて合意が得られませんでしたので、予算委員会は明日からスタートできなくなりました」と述べた。
与野党は、29日も引き続き協議する予定だが、少数与党の国会で予算案の審議が与党の思うとおりにはならない現実が浮き彫りになっている。この状況は、2025年度予算案の審議スケジュールに影響を与える可能性がある。
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