行政管理予算局(OMB)の責任者であり、最近消費者金融保護局(CFPB)の局長代行に就任したラス・ボート氏は、2月8日、同局への新たな資金供給を停止すると発表した。
ボート氏は同日の夜、Xに投稿し、消費者金融保護局の予算状況を精査した結果を明らかにした。同氏によれば、消費者金融保護局が保有する7億1160万ドルの資金は「現在の財政状況において過剰である」としている。また、消費者金融保護局がその業務を遂行する上でさらなる資金が「合理的に必要とは言えない」と判断し、今後の資金供給を停止する方針を示した。
「私は連邦準備制度理事会(FRB)に対し、消費者金融保護局が次回の議会承認を伴わない予算の引き出しを行わない旨を通知した。同局の説明責任を欠いた状態を助長してきた資金供給を、今ここで停止する」と語った。
消費者金融保護局は通常の議会承認を通じた予算ではなく、FRBからの資金供給で運営されている。この仕組みは2024年に最高裁で合憲と認められたが、共和党は長年にわたり、この仕組みを批判してきた。同局は2008年の金融危機を受け、ドッド=フランク法の下で設立され、消費者を不正な金融取引から守ることを目的としている。しかし、以降、共和党は消費者金融保護局が過剰な規制を行っていると批判を続けている。
ボート氏はまた、2月8日にFRBのパウエル議長に宛てた書簡で、2025会計年度第3四半期に消費者金融保護局への予算供与をゼロとするよう要請した。同氏は消費者金融保護局が保有する7億ドル以上の資金を挙げ、「法律に基づき、私はこの金額を考慮し、同局がその法定権限を遂行する上で『合理的に必要な』金額を判断しなければならない」と述べた。
さらにボート氏は、消費者金融保護局の現在の資金について「その法定権限を公共の利益に合致する形で遂行するには十分であり、むしろ過剰だ」と指摘した。
管理予算局は、ボート氏が2月6日にホワイトハウス行政管理予算局長として上院で承認された後、消費者金融保護局の局長代行に任命されたことを確認した。
ボート氏は、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」が作成した「プロジェクト2025」の執筆者の一人である。このプロジェクトは、トランプ政権2期目を想定した政策指針であり、消費者金融保護局の廃止を提案している。「プロジェクト2025」では、同局を「高度に政治化され、有害で、完全に説明責任を欠いた組織」とし、その消費者保護機能を銀行規制当局や連邦取引委員会に移管すべきだと主張している。
トランプ大統領は「プロジェクト2025」との直接的な関係を否定している。しかし、ボート氏を含む多くの関係者がその作成に関与しており、同大統領の政策議題の多くが規制緩和や連邦機関の経費削減を推進するもので一致している。
トランプ氏はまた、イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」の設立を命じる大統領令に署名した。同省はここ数週間で複数の連邦機関の無駄を調査している。
マスク氏も消費者金融保護局を標的にしており、その廃止を提唱している。2024年11月末、マスク氏はXで「消費者金融保護局を削除せよ」と投稿し、「重複した規制機関が多すぎる」と述べた。
最近、アメリカ国際開発庁(USAID)の解体に取り組んだ後、マスク氏は2月7日に再び消費者金融保護局について言及し、同局が同様の運命をたどることを示唆した。「CFPBよ、安らかに眠れ」と投稿し、別の投稿では「ゼロよりはマシなことをしていたが、それでも無くなるべきだ」とコメントしている。
2月7日、消費者金融保護局職員組合であるNTEU 335は声明を発表し、政府効率化省の関係者が同局のメールディレクトリに追加され、建物内で目撃されていると報告した。同組合は、消費者金融保護局が保管する消費者や業界データの扱いに関して、政府効率化省による不適切な取り扱いを懸念している。
「政府効率化省の関係者が外部のビジネス上の利害関係を持つ可能性や、内部テストを経ていない、あるいはガイドラインが未整備のAI技術を用いて機密データを分析しているとの報道により、セキュリティ上の懸念も浮上している」と述べた。
政府効率化省はこの件に関する取材要請には応じていない。
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