日本製鉄によるUSスチールの買収計画をアメリカのバイデン大統領が阻止したことについて、ライバルのクリーブランド・クリフス社のCEOは13日、バイデン大統領の判断を歓迎すると同時に「日本は中国より邪悪だ」と述べ日本批判を展開しました。

アメリカの鉄鋼大手、クリーブランド・クリフスのロレンソ・ゴンサルベスCEOは13日、ペンシルベニア州で会見を行い、2時間近くにわたって持論を展開しました。

ゴンサルベスCEOはアメリカが日本や中国によるダンピングの犠牲者だと主張し、「中国はひどくて邪悪だが、日本はもっとひどい!」と語気を強めました。

ゴンサルベスCEOは、また、石破総理大臣がバイデン大統領に対し、安全保障上の理由で買収計画を阻止したことについて理由の説明を求めたことに対して、感情を爆発させ、怒りをあらわにしました。

ゴンサルベスCEO:
アメリカ合衆国の大統領に対して(説明を求めたの)だぞ!!!!日本は注意しろ。
お前らはおのれを理解していない!(終戦の)1945年以来、何も学んでいない!アメリカがどれほど善良で、慈悲深く、寛大で、度量があるかを学んでいない!

トランプ次期大統領とも関係が近いとされるゴンサルベスCEOは、「買収について、バイデン大統領より先に何度も阻止すべきと表明したのはトランプ氏だった」と強調した上で、「この(石破)総理には、7日後、アメリカの大統領に就任したトランプ氏に同じ事が言えるかと聞いてみたい」とすごみました。

さらに、買収計画を審査した対米外国投資委員会のメンバーがトランプ政権の発足にあわせて入れ替わり、6月18日に延期された「計画放棄の期限」を再び2月2日に戻すことが可能だとつけ加えました。

一方、怒りは日本製鉄の橋本英二CEOにも及び、「橋本CEOは私のことを悪党とかマフィアのボスだとか呼んでいるが法廷でそのことをきっと証明できるだろう」と皮肉を込めて話し、「証明できなければ、個人的に彼を無一文にし、彼の家も車も奪う」と声を荒らげて脅迫まがいの発言を繰り返しました。

会見に先立ち、アメリカのCNBCテレビがクリーブランド・クリフスが電炉大手、ニューコアと組んで再びUSスチールの買収に動いていると報じたことについて、否定しなかったものの、「この場で戦略を明らかにはしない」と述べ、詳細は明らかにしませんでした。

取材に対し、ニューコアは「ノーコメント」だとしています。

また、日本製鉄による買収に強く反対し続けているUSW=全米鉄鋼労働組合は「現時点で提供できる情報やコメントはない」としています。

クリーブランド・クリフスはUSスチールの買収計画を巡り、当初、日本製鉄に競り負けた経緯があります。

フジテレビ
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国際取材部
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