なぜアップルはグーグルマップを捨てたのか?

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なぜアップルはグーグルマップを捨てたのか?

Google Mapsの契約をあと1年残してなぜアップルは生煮えのまま独自地図をiOS 6で見切り発車したのか?

この謎にひとつの答えが見つかりました。それは...ターン・バイ・ターンの音声ナビ。

そう、Android版Google MapsにはあるのだけどiOS版にはないやつ。ウォズもこれができないのは残念だって言ってましたけど、AllThingsDWSJ日本版の全訳)の情報筋によると、アップルはこれを非常に欲しがっていたんだそうなんですね。iOS地図の基幹機能をライバルに牛耳られることは統制を第一義とするアップルの流儀にも全くそぐいませんしね。

でも従来の地図の契約にはターン・バイ・ターンの音声ナビは含まれていなかったので、そこをなんとか、こっちで作るからバックエンドのデータだけでもくれよ、ね、ねねって頼んだようなのです。

でも、グーグルだってあれだけ必死こいて集めたもの、そうそう簡単には渡しません。カウンターオファーを出します。

G:もっとiOS地図の機能にこっちの意見反映してよ。

A:却下。

G:地図アプリの中に「Google」って名前出させてよ。

A:却下。

G:Google Latitude加えさせてよ。

A:却下。

かくして両社は物別れに...。

もちろんナビだけなんてことはあり得ないし、もっと複雑な事情(訴訟疲れとかね)が絡んでいたことは自明ですけど、音声ナビが「ディール・ブレーカー(交渉決裂要因)」だったとWSJの情報筋は言い切ってます。

アップルとグーグルの交渉に詳しい関係者の1人はAllThingsDに対し、「交渉の発火点となった問題はたくさんあったが、最大の問題は音声案内機能だった」と話し、「それが最終的に交渉を決裂させた」と付け加えた。(WSJ日本版より)

要するにアップルはキラーな機能を自社でもってない状況に耐えられなかった、それでこんなヘボい地図になってしまった、ということですね...。

[AllThingsD, WSJ日本版]

Kyle Wagner(原文/satomi)