Appleの伝説のコンピューター「Lisa」OSソースコードが無料公開へ

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  • author 塚本直樹
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Appleの伝説のコンピューター「Lisa」OSソースコードが無料公開へ

Macより前のお話です。

Apple(アップル)が1983年に開発し、販売した伝説のパーソナルコンピューター「Lisa」。GUI(グラフィカル・インターフェイス)を採用した「Lisa OS」を搭載し、当時1万ドル(約112万円)で販売したことが原因で売れず、失敗したApple製品としておなじみです。

このマシンのLisa OSとアプリケーションがコンピューター歴史博物館により修復され、Appleによるレビューの後に2018年にすべてのソースコードが公開されることが発表されました。

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Image: Mac History

「Apple II」の成功により勢いに乗る当時のApple Computer(アップルコンピュータ)が、IPO前の株式の分配を引き換えにゼロックスを技術者が見学し、開発されたLisa(とLisa OS)。コンシューマー向けのマシンとして、初めてGUIやマウス、ファイルシステムを搭載するなど、革新的な設計がウリでした。しかし現在価格に置き換えると2万5000ドル(約280万円)という圧倒的な高額っぷりと、ケビン・コスナー主演の眠たいCMは消費者の関心を得ることができず、追って登場したコンピューター「Macintosh」の世界的ブームに押し流されるようにして消えていきました。

なおLisaという名前は公式には「Local Integrated System Architecture」の頭文字だと説明されましたが、実際はジョブズの元恋人との娘のリサ・ブレナン=ジョブズ(Lisa Nicole Brennan-Jobs)に由来していることを、スティーブ・ジョブズ本人も後に認めています。

また映画『バトル・オブ・シリコンバレー』でも登場した、Microsoft(マイクロソフト)による技術盗用を疑い、怒り狂うスティーブ・ジョブズに対してビル・ゲイツが返した「リッチな隣人(ゼロックス)からTVセットを盗み出したら、君もすでに盗んでいたんだ」というセリフは、あまりにも有名ですよね。またその後にApple Computerの社長に就任したジョン・スカリーにジョブズは会社を追放されるなど、色々とストーリーが展開するわけです。

ともかく、このようにテック業界が大きく動き出した時代の源流にあったLisaのOSが、来年公開されるのです。それまではInternet Archiveで公開されているMacintoshのエミュレーターで遊んだり、Lisaの不思議なCMを眺めて時間を潰すことにしましょう。

Video: Frank Blain/YouTube

Image: Wikimedia Commons, Mac History
Source: Business Insider Singapore

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(塚本直樹)