スキージャンプ女子のワールドカップ(W杯)は1月中旬以降、国内で札幌大会と蔵王大会(山形市)を行い、今季の個人全26戦(1戦中止)のうち13戦を消化して前半戦を折り返した。日本勢は1月26日時点で今季まだ表彰台がなく、苦しいシーズンを過ごしている。男女を通じ最多となるW杯通算63勝を挙げ、今季は個人総合12位につける高梨沙羅(クラレ)が今後戦っていく上でポイントに上げるのは、着地姿勢の「テレマーク」だ。国際スキー・スノーボード連盟(FIS)の飛型点の採点ルール改正により今季から、テレマーク姿勢の有無による減点幅が大きくなったためだ。高梨は着地時にテレマークをなかなか入れられず、今季最高順位は4位。「(テレマークを)入れないと世界で戦えない」と、来年のミラノ・コルティナ五輪を見据え、自らのジャンプと向き合っている。
W杯女子蔵王大会の個人第2戦で、K点ジャンプを決め着地する高梨沙羅=2025年1月26日、山形市蔵王(金田翔撮影)
■着地する際に足を前後にずらし
テレマークはノルウェーのテレマーク地方が名前の由来とされる着地姿勢のこと。着地する際に足を前後にずらし、両手は横に広げ、腰を落としてバランスを取る。この姿勢をとるのは安全性を高めるためで、FISのルール&コントロール委員の嶺村裕さん(長野県白馬村在住)は「着地のショックを和らげるという意味で安全性の観点からも必要とされている」と説明する。
スキージャンプは飛距離点と飛型点の合計で競う。一回の飛躍での得点構成は、飛距離点はK点まで飛べば60点で、そこからの飛距離により点数が加減される。飛型点は空中や着地の姿勢、着地後に数秒間を滑る姿勢の「美しさ」をみるもので、5人の飛型審判員がそれぞれ持ち点の20点から減点方式で採点する。5人のうち、最高点と最低点を付けた審判を除く3人の合計点数が採用され、一人のジャンパーに最大60点が付けられる。...
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