金沢市の金沢エムザ8階催事場で開催中の第50回記念北國花展「伝統と現代」(北國新聞社、石川県いけ花文化協会主催)は23日、後期展が開幕した。装いを一新した会場には、半世紀の節目と新春をことほぎ、明るい未来へ希望を託した祈りの作品が並んだ。開場とともに愛好者が詰め掛け、花に込められた思いや創意に触れた。
●金沢エムザに72点、26日まで
後期は現代自由花、伝統様式花の計72点が新たに披露された。23日午前は草月流の作品解説が行われた。
竹がダイナミックな曲線を描いて絡み合う作品を仕上げた華道家は、人々の助け合う気持ちや絆を表したとし「能登の復興を願い、勇気を持って前進する力強さを伝えたかった」と話した。
青々としたダイオウショウと竹に、鮮やかなブッシュカンを飾った華道家は、空間の使い方を意識したと工夫を語り「平穏な生活や幸せをつかみたいとの思いで生けた」と紹介した。
北國花展の50回の節目を受け、作品に「時」とタイトルをつけた出品者は、切り抜いた新聞紙を竹に貼ってダイオウショウやナンテンと合わせ「この1年が良い年になるよう、明るい雰囲気を出した」と笑顔を見せた。
午後の作品解説は御室流、古流華友会、古流柏葉会、古流華之枝会が担当する。
会場では各流派を代表する重鎮らによる北國芸術賞受賞者大作6点、特別大作5点も引き続き展示され、熟練の技と美が存在感を放った。
24日午前11時からは池坊、山村御流、同日午後2時半からは小原流、嵯峨御流が解説する。後期展は26日まで。入場料は700円で、中学生以下は無料。