引き立て役だけど、「むしろそっちが食いたいんじゃ!」な食材
みなさんこんにちは。ライターの飯炊屋カゲゾウです。
以前『メシ通』で書いた「そろそろ端っこグルメNo.1を決めようじゃないか!」という記事が好評だったんですけど、あれはおおむね均一な食材のその片端(あるいは両端)という括りでした。
今回は一般的にはメインの引き立て役、あるいは添え物として見られがちな食べ物ってありますよね。それらを「じゃない方グルメ」と勝手に命名しました。
そしてメインよりも「コチトラむしろそっちの方が食いたいんじゃ!」と、声を大にして叫びたいグルメとして、独断と偏見で1位から10位までランキングしてみました。
第10位 チーズケーキのタルト台
ほどよく湿気を吸ってしっとりしつつも、ザグザグした食感が残ったあのタルトの土台、めちゃめちゃうまいですよね。
たまに喫茶店とかで注文した時に、フォークを入れると最後までタルトの抵抗感がないままお皿に達したときの悲しさといったらありません。
「チーズのところだけだったら最初から頼まなかったよ!」と後悔しても後の祭り。
もちろん外周部の波打ったところも好きです。一番好きなのは砕いたクッキーを台にしたやつなんですけど、スーパーやお店でもあまり見かけません。
手軽さも重視してまずはタルト台を第10位にしました。
第9位 アメリカンドッグ下部のカリカリしたところ
普段生活しているとそれほど禁断症状はないんですけど、高速のサービスエリアに寄ると猛烈に食べたくなっちゃうのがアメリカンドッグ。
ぶっちゃけ、あの持ち手に近い周りの衣がすぼまってカリカリした部分が一番おいしくないですか。上から順に食べていけば自然と最後がクライマックスになりますから、並びもいいですよね。
どっちかというと「端っこグルメ」であるような気もしますが、メイン部分はソーセージですから、やはり「じゃない方グルメ」でいいと思いこちらにランキングしました。
第8位 キャラメル味のコーンスナックに入ってるピーナッツ
例のキャラメル味のスナックの中に入っているピーナッツ、口の中が甘くなり過ぎたときにいい感じでリフレッシュしてくれますよね。
あのピーナッツはただの口直しだと思っていたら、もう一つめちゃめちゃ重要な役割があるのをご存知でしょうか?
暑い時期だとキャラメルが溶けてコーン同士がくっついちゃう。これを解消するためにメーカーの人たちが研究し、その結果少量の塩をまぶすとくっつかないことがわかったらしいんですね。でも当時の製造設備では薄く均一にコーンへ塩を噴霧することが難しかった。
そんな時、画期的な方法が考案されます。まずコーンを袋に詰め、最後に塩まぶしのピーナッツを載せて梱包します。そうすると比重の関係で輸送時にだんだんピーナッツが下に移動していくわけですが、その時いい感じに塩をまぶし降りてくるらしいんです。どこの世界でも天才っているんですね。
第7位 蕎麦に一本だけ紛れているうどん
うどんも蕎麦も好きなのですが、外で食べるときは7:3で蕎麦が多いカゲゾウです。
でもって、チェーン店や駅の中の店だと同じ釜で茹でているところが多いので、蕎麦のどんぶりの中に時たまうっかり(?)一本だけうどんが紛れてることありますよね。あれ「うっひゃー、超ラッキー!」ってうれしくなりませんか?
不思議なことに逆だと(うどんの中に蕎麦一本)うれしさがそこまでではない。食材がひっくり返っているだけなのに、なぜなんでしょう。うどんの方が太いからお得感があるからですかねぇ。
第6位 ポテトチップスを食べたあとの指
最近の若いモンはポテトチップスを箸で食べるっていう話じゃないですか。ええ、わかりますよ、スマホやゲームをしながら食べるから画面やコントローラーを汚したくないことぐらいは。
でもね、まるっきりわかってないですよねソレ。ポテトチップスの何がうまいかって、食べ終わった時にべったりと指についたパウダーを舐め取る瞬間がクライマックスじゃないですか!
チリ系とかコンソメ系とか「指サックをはめてんの?」ってくらい指先が変色しててほしいですよね。外国産のえげつないくらい濃ゆいパウダー効いてるやつも最高ですね。
第5位 粉末スープのクルトン
カリカリ、ポリポリ。
歯ごたえのあるクリスピーなものっておいしいですよね。クルトンなんて代表的じゃないかな? 小さい頃からスープに入っているクルトンが大好きでした。
今でもパン食の時に粉末のスープを合わせることが多いですが、長い時間液体に浸かっているとヘタっちゃうのでクルトンは前半にどんどん食べちゃいます。でもそうすると後のスープの味気ないことといったら……。
ところで最近では、ファミレスのサラダバイキングのところにクルトンが置いてある店ありますよね。もうあのボウル見ただけで嬉しくなっちゃう。ひと目もはばからずサラダにがっつりかけちゃいます。
第4位 甲斐の戦国大名の名前がついた餅のきな粉と黒蜜
今やクッキーやアイスでも展開されている、きな粉と黒蜜をかけて食す例の餅。
本式の食べ方は「包み紙(ビニール?)である風呂敷に容器の中身をぶちまけて、四隅を持って袋状にして混ぜてから食す!」なんてことでも話題になりました。
まあ、どんな方法で食べようが、きな粉と黒蜜はかなりの量余るわけです。あれをね、容器についている黒文字(菓子楊枝)の先できな粉と黒蜜を混ぜて、ちまちま舐め食べるのが大人になった今でも好きです。
テレビとか観ながら延々舐められますよね。まああまりにも行儀が悪くて子供たちにはこんな姿みせられないのですが。
第3位 カステラの底の紙
カステラの底から剥がしたあの薄紙の台紙、そのまま捨ててしまう人は日本人ならまずいないですよね。
子供の頃なら前歯でこそぎ落としていましたけど、大人となった今ではさすがにお皿に置き、フォークの先でこそぎ集めてから食べてます。
特に長崎の老舗のカステラなど、台紙につぶつぶのザラメが大量に持ってかれてしまうので、むしろそっちがメインなんじゃないかと勘違いしてしまうほどです。カステラをまず食べて、台紙の方を最後の楽しみにとっておくコトも多々あります。
第2位 焼いた鮭の皮
いや~、ふつうに皮は食いますよね、鮭は。
カゲゾウの場合は夕飯時にお酒を飲みながらつつくことが多いので、完全に酒の肴です。焼海苔みたいにご飯をくるんで食べてもおいしい。
最近3人の子供たちもこの味を覚えてしまい、家族全員が狙っているんですよね。なのでけっこうな争奪戦になります。
もちろん皮はパリパリしてなきゃ嫌です。外食すると、身には火が通っているけど皮が生っぽい焼き鮭の時ってたまにありますよね。そういう時は本気でガッカリしますよね。
第1位 某有名ハンバーガーチェーンの朝セットのハッシュポテト
今でこそコンビニや冷凍食品でも似た商品が買えるようになりましたけど、その昔は、某有名ハンバーガーチェーンの朝のセットでしか食べられなかったのがハッシュポテトでした。
朝のセットは10時くらいで通常メニューに切り替わるので、数分遅くてもう買えなかった時のガッカリ感ときたらありません。
逆に手で持てないくらい熱い揚げたてのハッシュポテトがやってきた時は「ひゃっは!!」って快哉(かいさい)の叫びですよね。外はカリッカリで中がホックホクでうまいったらありゃしない。
今では朝のサイドはサラダとかも選べますけど、やっぱりハッシュポテトがデフォルトです。もうね、自分にとってはもはやバーガー類がサイドですわ。
あと話ついでにちょっと脱線しちゃうんですけど、今はメニューから消えてしまいましたけど、ハッシュポテトに一番合うバーガーメニューはホットドッグだと思うんですよね。あれ、復活してくれないかな……。
今回の泣く泣くランキング外 グルメたち
「じゃない方グルメ総選挙」いかがだったでしょうか? 今回も10個と絞ったため泣く泣くランキング外に追いやってしまったものもあります。
- スーパーで売ってるウナギについているパックのタレ
- ちりめんじゃこのパックに混じっているミニタコ、ミニ雑魚
- グラタンやドリアの皿の淵に接したコゲた部分
- 八宝菜のうずらの卵
……とかもいいですよね。
皆さんにもそんな「じゃない方グルメ」があったらぜひ教えていただきたいです。
ネタが集まったらそのうち第3弾もやりたいと思いますのでオタノシミに!
書いた人:飯炊屋カゲゾウ
1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。
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