ペンタックス「K-30」は、APS-Cサイズの有効1628万画素CMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラだ。低価格のレンズ交換式カメラではミラーレスが大きな存在感を示しているが、K-30はミラーのあるデジタル一眼レフで、そのファインダーは実売10万円以下の機種ながら視野率100%を達成している。実際にのぞいてみても広くて見やすく、ピントの山もつかみやすい。正直、これだけのファインダーがこのレンジのカメラに搭載されたのはうれしいところだ。
視野率100%を実現するため、通常はファインダーに設置される位置合わせ機構を取り除き、ファインダーで見えている像が100%になるように撮像素子を調整するといった手法を採用している。この手法は同社製品で既に採用実績があるため、今後の同社デジタル一眼レフにも継承されていくだろう。
いずれにしても視野率約100%のファインダーは見やすく、撮影が楽しくなる。フォーカシングスクリーンの交換にも対応し、AF分割マットやAFスケールマット、全面マットがオプションで用意されている。
AFは中央9点クロスタイプの11点測距。本体を正面から見て右側面にあるフォーカスモードレバーで、AF-S/AF-C/MFを切り替えられる。AFモジュールは新開発で、コンティニュアスAFの速度向上、高精度なAFなどが実現されている。連写速度は最高約6コマ/秒、シャッター速度は最高1/6000秒、77分割測光センサー、メインカラーを強調するホワイトバランスモード「CTE」など、十分な基本性能を備えている。
外観は一般的なデジタル一眼レフではあるが、深めの大きなラバーグリップ、全体的にスポーツカーのような前方から後方に流れるデザインは、従来の同社デジタル一眼レフとは一線を画しており、非常にスポーティな印象を与える。
ボディは81カ所にシーリングを施した防じん防滴構造で、この価格帯の製品としては破格のスペックと言っていいだろう。水がかかっても、ホコリの多い場所での撮影でも安心できる。マイナス10度までの耐寒性能も備えており、海から山、雪といった状況を始め、砂ぼこりが多いグランドでのスポーツ撮影、町中での突然の雨など、利用シーンを選ばない。
ただし、防じん防滴を期待するならばレンズの選択に注意が必要となる。レンズキットに付属する「smc PENTAX-DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL」および、ダブルズームキットの「smc PENTAX-DA L 55-300mm F4-5.8 ED」は防じん防滴構造ではない。防じん防滴での利用を前提とするならば、「smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR」が付属する18-135WRキット」を選択しよう。
屋外での長時間撮影に便利なのが、単3形電池への対応。別売のバッテリホルダーを使えば単3形電池4本での撮影も可能となる。急なバッテリ切れやバッテリ忘れの場合にも、対応できるが、撮影化の枚数は充電池の方が多い。非常用だろう。
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