雨といえば濡れたあじさいを撮りたくなる気分になるわけで、カメラを持って小雨の中を散歩するってのも楽しいわけだが、そのときは、透明のビニール傘をさしていくのがお勧め。
理由は簡単で、傘の下でも明るいから。特に傘を差しつつ花に寄って撮る、なんてことをすると、傘の影で暗くなりかねないし、下手に色がついた傘だとその色がじゃましちゃう。ついでにカメラが濡れにくいよう、撮るとき以外はタオルでくるむとかしておくといい。
雨を楽しもうと思って外に出ると、晴れの日には絶対撮れない、あるいは晴れた日に撮ってもおもしろくもなんともない被写体がいろいろと見つかる。
たとえば屋根がガラスになってると、そこに落ちる雨粒を下から撮れる。ガラス面に雨が落ちて波紋になって広がる様子を下から見るとなかなかきれいなのだ。ガラス屋根だからこそ撮れる雨である。
このときも背景は暗い色を選ぶ。そうじゃないと波紋の具合が分かりにくい。で、シャッタースピードはできるだけ速くすること。上の例は1/1000秒。シャッタースピードが遅いと波紋ができた瞬間をピタッと止められないから。雨が強ければ強いほど、一瞬でたくさん撮れるので楽しい。
水たまりも雨の時はいい被写体だ。
雨上がり、木のテーブルに残った水たまりを撮ってみた。
目の前にあるテーブルにピントを合わせたらいい、みたいな感じになるけど、そこに反射してるものはもっと遠くにあるわけで、写ってる木にピントを合わせると手前にあるテーブル側がボケるのだ。同じものを撮っても濡れたテーブルの写真になったり、奥にある木の写真になったりするのが面白いところ。
雨が降ったら、あるいは雨が上がったら水たまりに注目である。
マクロレンズを持って水滴にぐぐっとよるのもいい。
金属に水滴ってのはなかなかきれいである。
この丸い金属は何か、というと実はなんてことない放水用のポール。
こちらは、駅前に無造作に置かれていたベンチのひじ掛け
何の変哲も無いものが被写体になるのが雨の日の面白さなのだ。
定番のあじさいも。
濡れるとよけい色鮮やかで、なまめかしい感じになるのがたまらんですわ。
となると葉っぱの先についた水滴なんかも撮りたくなるもの。マクロレンズを装着してぐぐっと寄って撮るのだが、まあ、ピントあわせが難しい。
被写体との距離が近ければ近いほどピントの合う範囲が狭くなるので、ピンボケしやすくなる。そんなときはちょっと絞り込んで距離をかえつつ連写。そうすればうまく行くこともあるでしょう、的な感じでよいかと思う。三脚を立ててカメラを固定してピシッと撮るのもいいけど雨の日にそれをやるのはよほど好きな人だけってことで。
いい水滴を探しながら歩くというのも一興である。
梅雨時ならではのしとしとじめじめした風景もいい。例えば古い街や古い神社仏閣って、雨のじとじと感が似合うのだ。じとっとしていい雰囲気が出る。森は大量の雨を受け止めて生きているのだなあという実感というか。
できればマイナス気味の露出補正をかけて、しっとり感を強く出したい。
しとしとじとじとした季節も楽しめるもんです。
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