エンタープライズ：知っておきたいデータベース移行術「SQL Server→Oracle編」 (12/15)

エンタープライズ：特集

2003/07/25 18:19:00 更新

［Java Developer特別企画］2003年9月号
知っておきたいデータベース移行術「SQL Server→Oracle編」 (12/15)

JAVA Developer 2003年9月号より転載

・そのほかの関数
　数値関数、文字関数、日付関数以外の関数として、集計関数やシステム関数が存在します。SQL Serverでよく使われる代表的なこれらの関数群は、Oracle9iでも準備されており移行できます。一部名称が異なるものが存在しますが、移行の際に困ることはありません。

表9　そのほかの関数の移行
	SQL Server 2000	Oracle9i
数値から文字列への変換	CONVERT	TO_CHAR
文字列から数値への変換	CONVERT	TO_NUMBER
日付から文字列への変換	CONVERT	TO_CHAR
文字列から日付への変換	CONVERT	TO_DATE
NULL ではない最初の式	COALESCE	DECODE
exp1=exp2の場合にNULLを返す	NULLIF	DECODE
ユーザーのログインID番号	SUSER_ID	UID
ユーザーのログイン名	SUSER_NAME	USER
ユーザーのデータベースID番号	USER_ID	UID
ユーザーのデータベース名	USER_NAME	USER
現在のユーザー	CURRENT_USER	CURRENT_USER
ハッシュインデックスに作成する値を得る	CHECKSUM	ハッシュ値のインデックス自動作成で可
平均	AVG	←
行数	COUNT	←
行数	COUNT_BIG	COUNT
最大	MAX	←
最小	MIN	←
標準偏差	STDEV	STDDEV
標準偏差	STDEVP	STDDEV
合計	SUM	←
分散	VAR	VARIANCE
分散	VARP	VARIANCE

※Oracle9iのみがサポートする関数については掲載していません

　変換関数に関しては、SQL Serverで利用する場合すべてCONVERT関数に統一されていますが、Oracle9iではTO_CHAR、TO_NUMBER、TO_DATEとそれぞれ目的によって使い分けます。変換の例に従ってCONVERT関数をそれぞれの関数に置き換える必要があります。

　データベースにはそのデータベースに強く依存した特殊な関数が存在します。SQL Serverの場合は、@記号や@@記号ではじまります。@@ではじまるSQL Serverの環境設定関数などはSQL Serverの機能に大きく依存する部分が多く、移植性を考えるとあまり利用すべきではありません。しかし、Oracle9iデータベースでもこれらは同じように実装されているものが多く、関数の意味を理解し、マニュアルを参照することで、そのほとんどは移行可能です。

表10　変換関数の使用例
	SQL Server 2000	Oracle9i
文字列"10"を数値の10へ	CONVERT(numeric, '10')	TO_NUMBER('10')
数値の10を文字列"10"へ	CONVERT(char, 10)	TO_CHAR(10)
文字列"24-JUL-03"を日付へ	CONVERT(datetime, '24-JUL-03')	TO_DATE('24-JUL-03')
現在の日付を文字へ	CONVERT(char, GETDATE())	TO_CHAR(sysdate)