ここ1年あまりで一気にユーザーが増えているAndroid OS。アプリ開発の自由度が高いこともあって、対応アプリの本数も増加の一途をたどっているが、その一方で最近では、オープンOSゆえの危険性や脆弱性もさかんに指摘されるようになってきた。実際に、Androidマーケットに悪質なコードが埋め込まれた不正アプリが登録され、ユーザーが知らずにインストールしてしまうトラブルも起こっており、Android端末でのセキュリティ対策が注目されるようになってきた。すでに国内外の著名なウイルス対策ソフトベンダーが、専用アプリやサポートサービスの提供に乗り出しているが、どのような対策、機能が利用できるのか、常駐させた場合に動作が重くならないかなど、気になる点も多い。
そこでAndroid向けの代表的なセキュリティ対策アプリをピックアップ。それぞれの機能と使用メモリーなどを比較してみた。セキュリティ対策アプリの中には無料のもの、有料のもの、試用版として期間限定で無償提供されているものなどがあるが、今回はこのうち無料のものと有料のものを分けて比較する。第1回目となる今回は、5本の無料アプリを取り上げる。
無料のアプリを比較する前に、まずはキャリアが独自に提供するセキュリティ対策サービスにも触れておきたい。現在NTTドコモは「ドコモあんしんスキャン」、ソフトバンクモバイルは「スマートセキュリティ powered by McAfee」という、ともにマカフィーのセキュリティサービスをベースにしたサービスを提供している。ドコモは無料、ソフトバンクは月額315円の有料サービスで、いずれも申し込みは不要。Androidマーケットからアプリをダウンロードすれば、利用することが可能だ。
どちらのアプリもベースとなっているのはMcAfee VirusScan Mobile for Androidで、アプリは常駐し、メールやファイル、インストールアプリをリアルタイムにスキャンする。また、設定したスケジュールにあわせて定期的にスキャンを行ったり、任意のタイミングでスキャンしたりもできる。PC向けのベーシックなウイルス対策ソフトと同様、マカフィーのサーバにアクセスして定期的にウイルス定義ファイルを更新し、それと照らし合わせながら、不正なプログラムの進入を防ぐというのが主な機能だ。なおauでは現在、同様のサービスは提供していないが、今後の提供を検討中という。
不正なプログラムの侵入を防ぐだけならキャリア提供のサービスだけでもいいが、セキュリティ対策アプリの中にはさらに、スパムやフィッシング対策、端末紛失時にリモート操作でロックや消去ができる機能を備えるものもある。まずは5本の無料アプリでこれらの機能を比較していこう。なお、アプリの容量や使用メモリーは「Galaxy S」に常駐時のものを掲載する。端末によっては多少上下することがあるので、ご容赦いただきたい。
PCのHDDにあたるのが、スマートフォンのユーザーメモリ。アプリをインストールするにあたって、このユーザーメモリーに占める割合=アプリの容量の大きさも気になるところだ。各アプリをインストール後、ウイルス定義ファイルを最新のものに更新。一度スキャンを実行した状態で、アプリ管理画面を開き、それぞれのアプリの容量をチェックした。
5本のうち最も軽量だったのは1.44Mバイトだった「ViRobot Mobile」。逆に最も容量が大きかったのは「NetQin Mobile Security」で4.09Mバイトだった。すでに本体メモリーにたくさんのアプリをインストール済みで、空き容量が少ない人は特に、アプリを選ぶ際の参考にしてほしい。
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