「iTunesは確かに強力だが、使える端末やサービスが限られる。Windows Media Player(WMP)は、さまざまな端末で利用できる」――マイクロソフトは5月31日、WMP 11の日本語β版を公開するとともに、東芝やNTTドコモ、日本ビクター、ナップスタージャパンなどと協業すると発表した。各社はそれぞれ、Windows Media Technology(WMT)を活用した商品やサービスを展開。一人勝ちを続ける“iPod+iTunes”を連合軍で追撃する。
「デジタルメディア戦略上、日本は重要な市場」とマイクロソフトWindows本部のジェイ・ジェイミソン本部長は話す。「日本はブロードバンド先進国で、携帯機器のネット接続も進んでいる。音楽市場も世界で2番目に大きく、海賊行為が少ない」(ジェイミソン本部長)ため、音楽や動画コンテンツの市場として期待は大きい。
同社は「Windowsと同様、ユーザーニーズを汲みながらパートナーと協業する戦略」(ジェイミソン本部長)を採り、日本市場での成功を目指す。同日協業を発表したパートナー企業は、東芝、ドコモ、ナップスターと、日本ビクター、アイリバー・ジャパン、クリエイティブメディア、NTTコミュニケーションズ、青山キャピタルの8社。WMTを活用した各社のハード・サービスは以下の通り。
社名 | WMT対応状況 |
---|---|
東芝 | 「gigabeat V30T」などHDDプレーヤーでWMTに対応 |
NTTドコモ | 「FOMA F902iS」を皮切りにWMT対応機種を順次発売 |
ナップスタージャパン | WMTを活用して定額制音楽配信サービスを展開 |
日本ビクター | 携帯音楽プレーヤー新製品でWMTに対応 |
アイリバー・ジャパン | 携帯音楽プレーヤーでWMTに対応 |
クリエイティブメディア | 携帯音楽プレーヤーでWMTに対応 |
NTTコミュニケーションズ | 「OCN Music Store」でWMT対応のビデオクリップを配信 |
青山キャピタル | PC向けの月額定額制英語教育コンテンツでWMTを活用し、携帯端末に教材を転送 |
ジェイミソン本部長は「WMTは、音楽や映像を楽しむ際の選択肢を広げる」と繰り返す。iPod専用のiTunesと異なり、WMTなら、携帯電話を含めた各社のハードが使えるほか、月額定額制といったiTunesにない課金形態も選べるほか、音楽から動画、学習コンテンツまで、パートナー各社の幅広いコンテンツを利用できる、というわけだ。
ソフトの使い勝手や機能でもiTunesを超えたと語る。「WMP 11は、iTunesよりもインタフェースが簡単で、検索も素早い。アルバムごとに検索するなど、楽曲の整理も手軽」(ジェイミソン本部長)。
パートナー8社と協力し、都内の量販店でキャンペーンも行う。パートナー企業の端末・サービスと現行のWMP 10を組み合わせ、様々な利用シーンを提案。iPod+iTunesに対抗していく。
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