ダウンロードが開始されたGoogleのWebブラウザ「Google Chrome」の公開βは現在のところMacとLinuxには対応していないが、その件についてGoogleのMacチームが公式ブログで事情を説明している。
Google ChromeのオープンソースプロジェクトであるChromiumの最初のβリリースはWindows版のビルトのみが提供されているが、Google MacチームなどがMac版の開発に当たっていると同チームは説明。複数プラットフォームで開発を行うことの困難さについて理解を求めている。
Mac版とLinux版の開発に当たっては、Webブラウザは日常的に使うものなので、単なるWindows版の移植ではなくユーザーインタフェースやOSとの統合性などで「粗雑なところ」がないようにすることを心掛けているとしており、「靴の中に石ころが入ったようにはならないこと」を目指していると述べている。
Chromiumの開発チームはプラットフォームごとに分かれているわけではなく、全員がすべてのプラットフォームに貢献でき、行き過ぎた分岐を防ぐためにすべてのバージョンが同じソースからビルドされる。Mac版とLinux版は幾つかのモジュールについてはビルド可能な状態になっている。
ChromiumのプロトタイピングとデザインはWindowsで行ったが、それはWindowsユーザーにとってユーザーインタフェースをスムーズなものにしたいと同時に、3プラットフォームすべてで同時にテストを行うことを避けたという理由からだった。ただし、現在はMacとLinuxの担当者がチームに参加済みで、両プラットフォームも動き始めているという。Mac版とLinux版はWindows版よりも共通部分が多いため、コードの共有ができており、開発は若干スピードアップされていると述べている。
現状ではMac版、Linux版ともにモジュールレベルでのビルドとテストが行われているが、Windows版の公開βの動きも見なければならないため、Mac版、Linux版のリリース日を明示することはできない。Windows版が安定するにつれて、Windows版のように正式な公式βを出せるようになる。その様子は公開されているプロジェクトの進み具合を注視してほしいと説明している。
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