米航空宇宙局(NASA)は5月24日、次世代の有人宇宙船「MPCV」(Multi-Purpose Crew Vehicle)計画を正式発表した。現在のスペースシャトル計画は7月のフライトで終了し、今後はMPCVで小惑星や火星の有人探査を目指す。
MPCVは多段ロケットで打ち上げられ、4人を乗せて21日間のミッションをこなし、カリフォルニア沖の太平洋に帰還する能力を持つ。スペースシャトルに比べ、打ち上げ時などの安全性は10倍に高まるという。
ベースとなったのは、有人月探査を目指した「コンステレーション計画」で米Lockheed Martinが開発していた「オリオン」。オバマ政権は予算不足から同計画を廃止したが、新たに多目的有人宇宙船として活用することになった。
スペースシャトルは7月のフライトを最後に退役。NASAは国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送などは国際協力や民間ロケット会社に任せる方針で、有人飛行は地球に比較的近い天体の探査などに集中していく方針だ。オバマ大統領は2030年代に火星に宇宙飛行士を送り込む方針を掲げている。
スペースシャトル計画最後のフライトとなる「アトランティス」の打ち上げは7月8日に予定している。
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