動画共有アプリ「TikTok」を運営する中国ByteDance傘下のTikTok USは11月27日(米国時間)、Twitter上などで話題になっている、米国在住のイスラム教徒、フェローザ・アジズさん(17)のアカウント停止について、停止はミスによるものだったと説明し、謝罪してアカウントを復活した。
ことの経緯は、アジズさんが11月25日、Twitterで「私がTikTokに投稿した、中国がウイグルのイスラム教徒に再教育キャンプで行っていることを紹介した動画が話題になりました。TikTokは私のアカウントを停止しました」とツイートしたことに始まる。
問題の動画は、アジズさんがまつげを長く見せるコツを紹介する、と言って始まるが、ビューラーを使いながら語るのは、ウイグル地区のイスラム教徒を対象とする再教育キャンプは「新たなホロコーストだ」と中国政府の行いを非難する内容だ。
アジズさんはこの動画が拡散された後、アカウントが停止されたとツイートしたが、TikTokはこれを否定している。
TikTokは27日の公式ブログで、アカウント停止に至った経緯を時系列で説明した。それによると、アカウント停止の原因はこの動画ではないという。アジズさんが以前使っていた別のアカウントで投稿した動画がポリシー違反だったため、11月14日にこのアカウントを停止し、アジズさんは同日、新たに取得したアカウントで19本の動画を投稿。23日に問題の動画を投稿した。TikTokは、この動画とは無関係に、ポリシー違反で停止したアカウントに関連付けられた携帯電話番号の複数の端末を禁止する作業を行い、その中にアジズさんの新しいアカウントが含まれていた、というのがTikTokの説明だ。
動画が削除されたのは、「人間のモデレーターによるミス」であり、動画は削除から約50分後には復活したとしている。
TikTokはユーザーに謝罪し、「人間は間違いを犯すことがある。今後同じミスを繰り返さないよう、改善していく」と語った。
本稿執筆現在、アジズさんの問題のTikTok動画は復活している。
アジズさんはこの発表を受け、Twitterで「TikTokは公に謝罪し、私のアカウントを復活させました。TikTokが、アカウントを停止したのは、私が以前の停止されたアカウントで投稿した(今回の騒動と)無関係な批判的動画が理由だと説明しているのを私が信じると思いますか? ウイグル問題に関する動画を投稿した直後だったというのに? 信じられるわけがない」とツイートした。
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