このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
韓国の蔚山科学技術大学校(UNIST)による研究チームが開発した「Nailz」は、手の爪を使って入力するウェアラブル端末向けインタフェース技術だ。
Nailzではセンサーを爪に装着し、他の指でタッチする。爪を触るだけで素早く片手で操作できるため、ウェアラブルデバイスの制御に適しているという。爪にセンサーを配置することで、コップを持つなど、手の内側を使った日常動作を邪魔せずに使用できる。
それぞれの爪の上に配置した厚さ約1mmのフレキシブル基盤と、手首に取り付けた通信機や慣性計測装置(IMU)などを積んだボックスを接続した構造だ。
タッチ入力の種類は、タップ、フリック、スワイプの3種類を用いる。
指の組み合わせや方向など144通りを試案し、エラーが少ない29通りを採用した。内訳は、「爪の中央と先端をタップ」が10通り、「爪をフリック」が5通り、「爪を上下にスワイプ」が10通り、「最後に人差し指と中指の爪を同時にタップ、フリック、左右にスワイプ」が4通り。
これら29通りの入力方法を用いて、HoloLens用アプリを開発した。音楽の再生や一時停止、音量の調整、次の曲に移るなど、それぞれを正確に制御できることを実証した。
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