オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)「WordPress」の開発者、マット・マレンウェッグ氏は8月21日(現地時間)、自身のTwitterアカウントで、米AppleがWordPressのiOSアプリをロックしたため、しばらくアップデートできなかったとツイートした。ロック解除の条件はアプリ内課金機能の追加で、それに合意したことで同日アプリのアップデートが可能になったとしている。
WordPressは無料でブログを含むホームページを開設・運営できるサービスで、オープンソースライセンス(GPL)の下で配布されている。CMS「WordPress.org」と有料プランを含むブログサービス「WordPress.com」がある。iOSアプリからは、いずれのサービスも使える。
WordPress.comには無料プランの他、独自ドメインを使えたり、プレミアムテーマを使えたりする有料プランもある。
ユーザーが有料プランを選べば当然支払いが発生するが、現行のWordPressのiOSアプリにはアプリ内課金機能がない。Appleは米The Vergeに対し、これが「App Store Reviewガイドライン」に違反していると指摘した。
マレンウェッグ氏はAppleに対し、「App内課金以外の購入方法に直接または間接的に誘導」する可能性のある有料プランの説明などにアプリからアクセスできないようにすることを提案したが、却下されたという。
同氏が30日以内にアプリ内課金機能を追加すると約束したことでアプリのロックが解除され、21日に数週間ぶりのアップデートが行われた。
マレンウェッグ氏は「私はライセンスの神聖さを信じている(オープンソースはライセンスと著作権に依存している)。アプリストアにサインアップした際にライセンス条項に同意したからには、ルールを順守する。ルールを回避しようとするのではなく、ライセンス元が求めることをする」ともツイートしている。
WordPressのiOSアプリは数年前から公開されているが、Appleからこのような要請があったのは初めてという。
【UPDATE】米MacRumorsは、Appleが今回アプリ内課金機能を実装するよう求めたのは、同社が独禁法規制当局の調査を受けていることや、米Epic Gamesとの係争のためと指摘した。
AppleはMacRumorsに対し、「WordPressアプリの問題は解決した。開発者がアプリから購入オプションについての情報を削除したため、このアプリは無料のスタンドアロンアプリになり、アプリ内課金機能を追加する必要がなくなった」と語った。
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