・次回記事→高級モバイルノート×LTEの実力は?:「VAIO Z」のLTE内蔵モデルで“Xi”を試す
「VAIO Z」は、薄型化と軽量化を極限まで追求したソニーの13.1型モバイルノートPCだ。VAIOのノートPCではフラッグシップモデルに位置付けられる。
2011年夏のフルモデルチェンジによって、薄型軽量ボディの本体と、外部GPUや光学ドライブを備える外付けドッキングステーション(Power Media Dock)が組み合わさった、先進的なセパレートスタイルへと生まれ変わり、大きな話題を呼んだ。
現在販売されている2011年秋冬モデルは、店頭向けはフルモデルチェンジ当時からの継続販売だが、ソニーストアで取り扱うVAIOオーナーメードモデル(VPCZ22AJ)では、選択できるCPUがグレードアップしている。また、無線WAN機能は従来の3G(FOMA HIGH SPEED)の選択肢が省かれ、NTTドコモのLTEサービス「Xi」内蔵の有無のみとなっている。
今回はその最新のVAIOオーナーメードモデルから最高速構成のモデルを入手することができた。さらに進化したパフォーマンスを中心に検証していこう。
まずはVAIO Zの特徴をおさらいしよう。ボディは前面から背面まで同じ高さのフルフラットスタイルで、サイズは330(幅)×210(奥行き)×16.65(高さ)ミリ、重量はわずか約1.165キロ(最軽量構成では約1.15キロ)だ。13型クラスの液晶を搭載したモバイルノートPCとしては、東芝のUltrabookである「dynabook R631」(公称約1.12キロ)にわずかに及ばないものの、最軽量クラスといっていいだろう。
底面部に8本のビスで固定されているリチウムイオンバッテリーの容量は45ワットアワー(11.1ボルト 4000mAh)で、公称のバッテリー駆動時間は約8.5〜9時間だ。オプションとして底面に装着して使うシート型の拡張バッテリー(49ワットアワー/11.1ボルト 4400mAh)も用意されており、必要に応じて約16.5〜17.5時間まで駆動時間を延ばせる。このシート型バッテリーを装着した場合にもバッグの中での収まりがよいフルフラットなフォルムが保てる点はありがたい。
薄型軽量ボディながらインタフェースも必要十分な内容だ。1基ずつのUSB 3.0(ドッキングステーション接続コネクタ兼用)とUSB 2.0のほか、メモリースティック デュオスロット(PRO-HG対応)とSDメモリーカードスロット(SDXC/SDHC対応)を装備。ディスプレイ出力端子も、HDMIとアナログRGBを両方備える。
通信機能は、1000BASE-T対応の有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを標準装備。無線LANは、WiMAX&IEEE802.11a/b/g/n(排他利用)のほか、WiMAXなしのIEEE802.11a/b/g/n(MIMO 2×2)、WiMAXなしの高速IEEE802.11a/b/g/n(MIMO 3×3/最大450Mbps)が選べる。また、無線WAN機能として、NTTドコモのLTE高速データ通信サービス「Xi」対応モジュールを搭載可能になっている。
そのほか、VAIOオーナーメードモデルではノイズキャンセリングヘッドフォン、指紋センサー、TPMセキュリティチップ、HD対応Webカメラなどを選ぶことが可能だ。
そして、これだけの薄型軽量化を実現しながら、CPUにはUltrabookなどが採用する超低電圧版(TDP 17ワット)ではなく、より動作クロックが高く、高性能な通常電圧版(TDP 35ワット)の搭載を可能にしているところが、フラッグシップたるゆえんの1つだ。
CPUの選択肢は、Core i7-2640M(2.8GHz/最大3.5GHz)を筆頭に、Core i5-2540M(2.6GHz/最大3.3GHz)、Core i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz)、Core i5-2435M(2.4GHz/最大3.0GHz)、Core i3-2330M(2.2GHz)が用意されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.