Radeon HD 7790は、“SouthernIslands”シリーズに属する世代のGPUで、開発コード名は「Bonaire」と呼ばれてきた。Bonaireは、ベネズエラ沖にあるオランダ領ボネール島とのことだ。こうした派生モデルが登場する場合、既存のコアに対し、回路のEnableやDisableを行なうが、Bonaireは開発コード名が異なるように、新規で起こしたコアのようだ。AMDが公開するデータシートにあるBonaireの構成トランジスタ数は20億8000万個で、これは“Pitcarin”の28億個や“Cape Verde”の15億個とも異なる。
製品名 | Radeon HD 7850 | Radeon HD 7790 | Radeon HD 7770 |
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コードネーム | Pitcarin | Bonaire | Cape Verde |
GCN Units | 16 | 14 | 10 |
ストリームプロセッサ数 | 1024 | 896 | 640 |
テクスチャユニット | 64 | 56 | 40 |
ROPユニット | 32 | 16 | 16 |
Z-Stencil | 128 | 64 | 64 |
GPUクロック(MHz) | 860 | 1000 | 1000 |
テクスチャフィルレート(GTexels/sec) | 55 | 56 | 40 |
ピクセルフィルレート | 27.52 | 16 | 16 |
処理能力(SP) | 1.76 | 1.79 | 1.28 |
メモリ(Gbps) | 4.8 | 6 | 4.5 |
メモリクロック | 1200 | 1500 | 1125 |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ接続バス幅(ビット) | 256 | 128 | 128 |
メモリ帯域幅(GB/sec) | 153.6 | 96 | 72 |
メモリ容量(MB) | 2048 | 1024 | 1024 |
Typical Board Power | 130 | 85 | 80 |
Typical Idle Power | 3 | 3 | 3 |
補助電源レイアウト | 6 | 6 | 6 |
DirectXサポート | 11.1 | 11.1 | 11.1 |
OpenGLサポート | 4.2 | 4.2 | 4.2 |
PCI Express Gen. | 3 | 3 | 3 |
トランジスタ数(億) | 28 | 20.8 | 15 |
プロセスルール(ナノメートル) | 28 | 28 | 28 |
Radeon HD 7790では、ストリームプロセッサが896基、テクスチャユニットは56基で、Radeon HD 7770から大幅に増えている。一方、ROPsは16基、Z-Stencilユニットは64基、グラフィックスメモリバス幅が128ビットと、ラスタライザ関連の仕様はRadeon HD 7770と共通だだ。ただし、グラフィックスメモリの転送レートに関していえば、GDDR5で6Gbps相当に引き上げられており、帯域幅も拡大している。一方、GCNコアを拡充したわりには、TDPが85ワットと、Radeon HD 7770からは5ワット程度の上昇に抑えている。補助電源コネクタは6ピン×1基で十分だ。
今回、性能評価用として使うのは、SapphireのRadeon HD 7790搭載グラフィックスカードだ。デュアルファンのクーラーユニットを搭載し、補助電源コネクタは上部に来るレイアウトを採用している。なお、AMDの資料にあるリファレンスカードのデザインは、Radeon HD 7770のリファレンスカードに近く、補助電源コネクタは後部にある。ファンも1基で、映像出力インタフェースのレイアウトも異なる。ミドルレンジGPUであるため、登場当初からグラフィックスカードベンダーがオリジナルのデザインで製品を用意しているものと思われる。
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