中国GPDが発売し、日本では天空が代理店として販売している「GPD XP」というデバイスをご存じだろうか。「AndroidゲーミングLTEスマートデバイス」と、やや長めの自称からも分かる通り、GPD XPはLTE(4G)通信機能を備えるAndroid 11ベースのゲーミングデバイスだ。
GPD XPはGoogle Playで配信されているAndroidゲームがプレイできる他、「Steam Link」「AMD Link」「GeForce NOW」といったAndroidに対応するクラウドゲーミングサービスも楽しめるようになっている。天空のWebサイト(GPD Direct)における6月22日現在の販売価格は3万8340円で、Nintendo Switchよりも高くてPlayStation 5よりも安い絶妙なラインとなっている。
本当にGPD XPでゲームを快適に遊べるのか――そんな疑問を解消すべく、実際に試してみよう。
まず、GPD XPの主要スペックをチェックしていこう。
(※1)microSDメモリーカードと2枚目のnanoSIMカードは排他搭載となります
SoCは、台湾MediaTekの「Helio G95」を搭載している。このSoCは「プレミアム4Gゲーミングスマートフォン向け」とされており、日本向けのスマホではXiaomi(シャオミ)の「Redmi Note 10S」に採用されている。ゲーミングスマホ向けということもあり、Helio G95にはゲーミングにおけるレスポンスを最適化する「MediaTek HyperEngineゲームテクノロジー」に対応している。ただし、製造プロセスは12nmと若干古く、5G通信にも対応しない。
GPD XPの面白いポイントとして、あえて電話機能を搭載していないことが挙げられる。スマホベースのプラットフォームなのでもったいない気もするのだが、製品情報によると、ゲームを安心してプレイできるようにするための措置であるようだ。
なお、Android向けのビデオ通話(Web会議)アプリは問題なく利用できる。搭載していないのは、あくまで回線交換(GSM/W-CDMA)やVoLTEによる通話機能となる。
メーカーでモバイル通信の動作を確認しているのが中国本土のキャリア(China Telecom、China Unicom、China Mobile)のみとなる。対応バンド的には国内の大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)に対応可能だが、一部にカバーできていないバンドもある。単体でモバイル通信に対応していることもGPD XPの強みではあるが、このような制約があることは忘れないようにしたい。
もっというと、本体に添付されている「技適など」のステッカー記載を確認する限り、日本で有効な認証を取得しているのはWi-FiとBluetoothの通信に関する部分のみのようでもある。この点にも注意したい。
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