アイティプロテック「LCD15HC-IPSDUAL」は、15.6型の画面を上下に2つ連結させたモバイルディスプレイだ。PCと1本のケーブルでつないだ状態で、2つの別々のディスプレイとして異なる内容を表示したり、上下合わせて1つのディスプレイとして使ったりと、さまざまな利用スタイルに対応する。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けしよう。
まずは通常のモバイルディスプレイと同じく、基本的なスペックから見ていこう。画面サイズは15.6型×2で、解像度はそれぞれ1920×1080ピクセルだ。IPS方式で、ノングレアのパネルを採用している。タッチ操作には対応しない。
リフレッシュレートは60Hz、輝度は250ニト、コントラスト比は800:1、視野角は170度とされている。これらのスペックは上下どちらのディスプレイも共通で、同じパネルを使用していると見てよさそうだ。
本体はヒンジで上下に連なっている。強度的にはノートPCのそれと同様で、じわじわと上の画面が倒れてくるような心配は不要だ。2つの画面は180度開けるのはもちろん、360度近くまで回転させ、山折りの状態で使うこともできる。さらにノートPCのように上の画面を立て、下の画面を寝かせた状態で使えるなど、実にフレキシブルに使える。
スタンドは、たたむと背面にほぼ埋め込まれる構造で、取り外しはできない。この背面にはVESAマウントに取り付けるための75mm間隔のネジ穴が用意されており、スピーカーも配置されている。
接続方式はUSB Type-CとHDMIで、USB Type-Cポートは映像/給電の両方に対応するポートが2基と、映像にのみ対応するポートが1基の計3ポートが搭載されている。これらはいずれも上下に連なったディスプレイの下の側に並ぶ。後述するOSDメニュー操作用のボタンも下側のディスプレイの右側面にあり、上下では下のディスプレイの方がプライオリティは高い。
重量は公称値で1585g、実測では1689gと、同等サイズのノートPC並の重さだ。輸送時にはポーチの重量が加わるので、日常的に気軽に持ち歩くのはつらい。とはいえ、2画面合わせて20.5型相当のディスプレイと考えれば、同等サイズのディスプレイを持ち歩くのと比べて圧倒的に負担が少なくて済むことに違いはない。
付属品は2本のUSB Type-Cケーブルに加え、USB Standard-A→USB Type-Cケーブル、HDMIケーブル、さらにUSBタイプのACアダプターが付属する。本製品は1本のケーブルで2つの画面に映像を出力できるが、消費電力もそれだけ多いことから、別途ケーブルによる給電が必要になる場合も多い。USB Standard-A→USB Type-Cのアダプターが付属しているのはそのためだろう。
なお、ACアダプターを使わずに表示できた場合でも、バックライトは最大で70%、ボリュームは最大50%に制限される。外出先で一時的に使うだけならまだしも、デスク上に設置して日常的に使う場合は、ACアダプターは事実上必須と考えた方がよいだろう。
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