JICAパキスタン事務所、協力：ジェトロカラチ

JICA（国際協力機構）では昨秋からICT産業振興アドバイザーをパキスタンに派遣し、ジェトロカラチの協力のもと同国と日本のICT産業におけるビジネス関係強化に向けた支援活動に取り組んでいます。パキスタンでは、米国、英国、UAEを中心にソフトウエア開発の輸出が急拡大しており、日本企業では、大手建設機械メーカーのパキスタンIT子会社が20年以上前に設立され、同メーカーの世界中のグループ企業のIT部門を支援しています。先般開催されたアジア太平洋ICTアワード2022では、パキスタン企業勢が、香港、タイ、マレーシア、オーストラリアなど16経済地域における並み居る強豪国を押さえ第1位を獲得しました。

このたび、Japan IT Week春においてパキスタン政府による大規模なパキスタンブースが設けられ、従業員8,500名を抱える同国最大手を筆頭に有力なパキスタンICT企業が同ブース内に出展することになりました。成長著しいパキスタンICT産業を牽引する企業が最新技術を展示し、日本市場に向けてパキスタンICT産業の最新情報を発信します。期間中、JICAは本展示会場内でジェトロカラチの協力を得て日本企業向けパキスタンICTセミナーを開催し、パキスタンICT産業についての日本企業の情報収集活動を支援いたします。

海外企業への開発や運用委託、DX事業の展開や新たなビジネスモデルの構築、米国はじめ海外市場の開拓に向けた事業パートナーの発掘等を検討されている日本企業におかれては、スタートアップ、ソフトウェアやハードウェア系などの業種業態、企業規模の大小を問わず是非本ブースにご来場いただき、パキスタンICT産業の現状ならびに企業情報の収集にお役立ていただければと思います。

パキスタンソフトウェア輸出庁によれば2021/22年度のICT輸出額は約26億ドルで、この2年間で81％増と急成長しています。特にICTの輸出では、ソフトウェア開発及びソフトウェアサービス提供が多く、当該分野の高成長を担っています。さらに、人材の面でもパキスタンでは年間2万6000人のIT技術者を輩出、一部は欧米の有名企業からのデジタルトランスフォーメーション業務等を請負うレベルにあり、他の開発途上国と比較して低廉な開発価格（2022年時点でベトナムの平均開発請負月額単価よりも約30％低廉）で雇用できる魅力を有しています。

パキスタン政府はICT産業の発展に関して「デジタルパキスタン政策（2018）」において情報通信産業の海外展開を推進する方針を掲げています。特に、海外展開においては、先進・高付加価値技術分野への進出や海外企業によるパキスタン人材の活用促進を重点施策に位置づけ、海外企業・市場とのリンケージの強化を課題に挙げています。2021年には、新型コロナ感染拡大に伴う渡航の難しさにも拘わらず、主要輸出相手国である米国を中心に継続需要が生じており、一部のパキスタンICT企業では需要に追い付かず受注量を制限するところも出てきています。

一方、我が国では深刻なICT人材不足に直面し、2030年にはICT人材が最大で79万人不足すると言われています（経済産業省2018年）。特に中小企業では日本国内の労働力不足を受け、質の高いICT人材を合理的な賃金水準で確保することが困難になっています。こうした状況において近年、中国、インド、ベトナム等の外国人材の活用が進められている中でより廉価で豊富なパキスタンのICT人材の活用やICT企業との協業に関心を示す日本企業も出てきていますが、パキスタンのICT人材・企業に関する情報は限られているのが現状です。

JICAでは現在派遣中のICT産業振興アドバイザーを通じて、パキスタンのICT人材やICT企業が、急速に拡大する日本のICTサービス輸入需要に興味を持ち、日本側もパキスタン人材の多文化受容能力や聞き取りやすい英会話力、デジタルトランスフォーメーションに必要な技術に詳しい人材が存在することに関心を持ち始めていることを把握しました。こうした潜在的なビジネスニーズの顕在化への支援を行うことで両国企業が互恵的な関係を構築できる可能性を秘めていると考え、その活動の一環としてこのたび本ブースへのご来場をご案内させていただく次第です。

会期：2023年4月5日（木）～7日（金）
会場：東京ビッグサイト（パキスタンブース／東棟内）
目的：パキスタンの有力ICT企業11社の最新技術、サービスコンテンツを展示し、日本市場に向けて
パキスタンICT産業の最新情報と比較優位性を発信すること
主催：MOITT（Ministry of Information Technology and Telecommunication）、PSEB（Pakistan Software Export Board）
出展企業：

主催：JICAパキスタン事務所、協力：ジェトロカラチ
実施日時：2023年4月6日　12時30分～13時30分、於：東京ビッグサイト東棟内

講師：城ヶ﨑　寛ICT産業振興アドバイザー
内容：同アドバイザーがこれまでのアドバイザー業務を通じて把握したパキスタンICT産業についての各種情報をご提供します。
（教育機関や卒業生の技術的レベル、ICT人材市場、パキスタンICT産業の海外との取引実績と得意分野、パキスタン政府によるICT産業およびスタートアップ振興施策、日
本企業との協業可能な分野、競合国とのコスト比較など）

講師：堀口　英男・パキスタン国投資環境整備アドバイザー
内容：パキスタンの投資環境、外資奨励策、税制、為替管理制度、外資による会社設立手続きなど

講師：原　毅JICAパキスタン事務所次長
内容：農業、保健、衛生、インフラ、教育、防災などJICAがパキスタンで実施するODA事業を通して把握する各セクターの現状、開発課題とICT分野のビジネスの可能性をご紹介

スタートアップ、ソフトウェアやハードウェア系などの業種業態、企業規模の大小を問わずお申し込みいただけます。各社の経営課題の解決に資する情報収集等にお役立てください。

本セミナーはJapan IT WEEK主催者との協賛セミナーの形式で実施致します。本セミナーへの参加を希望される方は下記宛てにお申し込みください。（先着順）

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本展示会やJICAセミナーを通じてパキスタンICT産業にご関心を持たれた方で更に関係情報の収集をご希望の方はお気軽に下記担当までお問い合わせください。

JICAパキスタン事務所（産業／投資促進セクター）
ICT産業振興アドバイザー：城ヶ崎寛　hiroshi-jogasaki@wba.co.jp
担当職員：天谷浩之　Amaya.Hiroyuki2@jica.go.jp