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駅名の下で存在感を放つ巨大壁画=神戸市営地下鉄名谷駅
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駅名の下で存在感を放つ巨大壁画=神戸市営地下鉄名谷駅
名谷駅ビルの改修イメージ(神戸市提供)
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名谷駅ビルの改修イメージ(神戸市提供)

 「あの壁画はどうなるんでしょうか?」。神戸新聞社の双方向型報道「スクープラボ」に読者からこんな疑問が寄せられた。「あの」とは、神戸市営地下鉄・名谷駅(神戸市須磨区)にある巨大壁画のこと。駅ビルの全面改修で無くなってしまうのでは、と心配になったそう。さっそくその行方を市交通局に尋ねてみた。

 「残念ながら、解体することになります」。担当者は即答した。しかも、その時期は7月に迫っているという。え、もうすぐじゃないですか。

 市によると、壁画のタイトルは「春の風」。1977年の名谷駅開業時、須磨ニュータウンの玄関口を飾るため京都の陶芸家河合紀さん(故人)が制作した。清水焼のパネルをつなげて描いた縦8メートル、横14メートルの大作で、駅名のすぐ下で圧倒的な存在感を放っている。

 しかし、この風景を見られるのもあとわずかだ。

 ニュータウン開発から40年以上たった名谷地区では、人口減少や高齢化が課題になっている。そこで市は2019年、「名谷活性化プラン」を発表。その目玉事業が、駅ビルのリニューアルだった。

 既に駅北側には商業施設「tete(テテ)名谷」が建設され、今月30日に開業する予定。さらに7月からは現駅ビルのリニューアルにも着工し、2024年度中に新たな装いに生まれ変わる。その過程で壁画も解体されることになった。

 市によると壁画は焼き物のため壊れやすく、状態を維持したまま移設することは困難という。

 それでも「駅の風景として愛着を持っていただいている」と担当者。新駅ビルに壁画の一部を埋め込んだモニュメントを設置するほか、現在地の西隣に移転する北須磨支所に、壁画のかけらを展示することも検討するという。

 壁画について問い合わせてくれた同市須磨区の濱田聡さん(46)は「幼少期から見てきた駅のシンボルなので、寂しい気持ちはある。風景が変わるのは仕方ないが、何らかの形で『昔はこんな駅だったな』と思い出せる展示があればうれしい」と思いを語った。(井沢泰斗)

     ◇

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