明仁謹んで
御母香淳皇后の御霊に申し上げます。
昭和天皇の崩御あそばされてより十一年、吹上大宮御所にお過ごしの日々が穏やかにして一日も長からんことを願い、お側近く過ごしてまいりましたが、この夏の始め、むなしく
幽明界を異にするにいたりました。
在りし日のお姿を偲びつつ、
殿に、また
殯宮におまつり申し上げること四十日、ここに斂葬の日を迎え、葬列をととのえ、昭和天皇のお側にお送り申し上げます。
お慈しみの下にあった去りし日々を思い、
寂寥は深く、追慕の念は止まるところを知りません。誠に悲しみの極みであります。