極上の鹿肉を届けたい やまなしジビエ おいしさの秘密・後編 PR
ジビエの季節到来!
山梨を訪れ、地元産の鹿肉を使ったフレンチに魅了された洋食の巨匠・大宮勝雄シェフ。今回は、料理にも使われた山梨県産の「極上の鹿肉」が、どのようにして生まれるのかを探ります。
(シェフが韮崎市のフレンチレストラン「キュイエット」を訪問、鹿肉のメニューと山梨県産ワインを堪能した前編記事はこちらで公開中です)
シェフが訪ねたのは、山梨県北杜(ほくと)市。八ヶ岳連峰のお膝元に位置し、南アルプスや富士山といった名峰の大パノラマが広がります。
山梨県と長野県の県境にそびえる八ヶ岳連峰
出迎えてくれたのは地元出身のハンター、五味誠さん。鹿肉の加工販売をする「八ヶ岳ジビエ」の代表でもあります。
ハンター暦20年以上の五味誠さん 週に一度のペースで鹿猟をする
ハンターの父親に連れられ、幼い頃から山に入ってきたという五味さん。鹿猟の知識と経験は折り紙付きです。
大宮シェフ、早速「八ヶ岳の鹿が美味しいのは、この土地が理由なんですか?」と、単刀直入においしさの秘密を聞き出します。
「あの山に鹿がいっぱいいますよ(笑)」(五味さん)
「きれいな水や豊富な木の実などで育ち、八ヶ岳の険しい山をかけまわっているから身も締まって美味しいんでしょうね。あとは猟をする際に鹿を苦しめないことが、肉に雑味を出さない秘訣です。私は鹿の首から上を狙って一撃で射止めます」(五味さん)
鹿がいつ、山のどこに現れるかが分かるという五味さん。猟に行くときは、鹿を撃つ場所だけでなく、射止めた鹿を最短時間で加工施設に運べるよう、冷蔵車を停める位置まで計算し尽くします。
夜明けとともに猟をはじめ 射止めたら2時間以内に加工場へ
「車より低い場所で鹿を射止めると、鹿を引っぱり上げるのに時間がかかってしまいます。だから車は必ず下。その場で素早く血を抜いて、なるべく早く車まで降ろし、冷蔵しながら運びます。常温の時間が長いと、どうしても肉に臭みが出てしまいますので温度管理が肝心。時間との勝負ですね。」(五味さん)
鹿肉の扱いに徹底的にこだわる五味さん。その思いの裏には、かつて目にした、ある光景があります。
山梨県では近年、野生の鹿の数が急増し、林業や農業に被害が出るようになりました。五味さんが鹿を狩るのも、鹿の頭数管理、つまり駆除が大きな目的のひとつです。
ピークだった2014年には 7万頭以上の鹿が生息
「捕獲した鹿の多くはそのまま山に埋められていました。自分と同じ故郷で育った一つの命なのに、何にも利用されず捨てられるのを見ていられなかったんです」(五味さん)
鹿の命を無駄にしないよう、せめて美味しく食べてあげられれば…そんな思いから、五味さんは2016年に鹿肉の加工施設を開設。鹿肉の安全・安心を担保するために山梨県が衛生基準などを厳しく定めた「やまなしジビエ」の認証を受けました。
給食施設だった建物で取り組みをスタート
施設で出迎えてくれたのは、五味さんの妻の舞さん。ハンターの資格も持ち、夫とともにここで鹿肉の加工に携わっています。
「結婚前はジビエが苦手でしたが 夫が獲った鹿の肉を食べて変わりました」(舞さん)
大型の冷蔵庫の中には、熟成中の鹿の肉がずらり!圧巻の光景に、大宮シェフのテンションも上がります。
「この状態の鹿の肉は初めてみました!まったく生臭さみたいなものないんですね」(大宮シェフ)
鹿肉は骨付きの状態で水分を抜き うまみを凝縮させる
鹿は施設に持ち込んだらすぐに皮や内臓を取り除き、冷蔵庫で3~4日間熟成させます。個体によって肉質が全く違うので、鮮度と熟成のバランスを見極めるのが難しいのだそう。
「野生動物だし、若さや雄雌などで肉にも個体差が大きいので、処理をしてみないとわからない。難しいけど向き合いがいのある素材です」(舞さん)
「美味しく食べてもらえるように かなり練習しました(笑)」(舞さん)
この日は特別に、鹿肉の処理を見せてもらえることに。鹿肉を解体する舞さんの手際の良さとスピードの速さに、大宮シェフも圧倒されます。
「夫が獲った鹿の肉は 輝きが違うんです!」(舞さん)
実は舞さん、この鹿肉の処理を通して、食への向き合い方が変わったと言います。
「あるとき、鹿を捌いていたらお腹のなかに赤ちゃんがいたんです。私も3人の子どもがいる母親なんで、お母さんだったんだな、無駄には出来ないなと思って…食べるということは、命をいただいているということなんだと、改めて強く感じました」(舞さん)
「お話を聞くと 一切れたりとも無駄には出来ませんね」(大宮シェフ)
子どもたちも鹿肉が好きという五味さん一家。おすすめの食べ方をきいてみました。
「子どもは薄切りにして焼いたものが好きですね。味付けは塩だけ。低エネルギーで高たんぱく、ビタミンや鉄分など栄養素も豊富なので、運動する人や女性にもオススメですよ」(舞さん)
大宮シェフ、早速その場で自慢の鹿肉の味見をさせていただきます。味付けはもちろん、塩だけです。
塩焼きやカレーなど、五味家の鹿肉レシピは「八ヶ岳ジビエ」のInstagramへ
「鹿肉のイメージが変わりますよ!」(大宮シェフ)
「シンプルな調理だからこそ、肉そのものの美味しさがわかりますね。うまみがしっかりあるのにクセが全くなく柔らかい。子どもからお年寄りまで、誰にでも食べやすいと思います!」(大宮シェフ)
最後に、五味さん夫妻の今後の目標をうかがいました。
「地元の子どもたちに八ヶ岳の鹿についてもっと知ってもらえたらと思い、学校給食に取り入れてもらおうと活動しています。そのためにも、今まで以上に安全・安心と、美味しさを追求していきたいと思います」(誠さん)
「是非一度食べてみてください。注文お待ちしています!」(舞さん)
山梨県のおいしいジビエを支えるもの。それは豊かな大自然と、命を粗末にせず、良いものを安全に世に送り出し未来へ繋げていきたいという人たちの、ふるさとへの愛でした。
切り分けたジビエを分けてもらい、帰路についた大宮シェフ。
どんな料理を作ろうか…頭の中でアイデアが若鹿のように跳ね回っているのでしょうか!?
鹿肉は、ニュージーランドで修業をしていた若い頃から慣れ親しんでいましたが、山梨の鹿肉の味は、予想をはるかに超える美味しさでした。
クセが全くないのに、鹿肉本来のうまみはしっかりと生きている。山梨の自然の豊さと美味しい鹿肉を多くの人に届けようという地元の人たちの思いが息づいていることを実感しました。
「ジビエ」というと家庭では難しいと思われるかもしれませんが、親しみのある料理をベースに、簡単に出来るごちそうレシピを考えてみました。
是非、八ヶ岳の鹿肉で試してみてください!
「八ヶ岳ジビエ」のInstagramへリンクします
(鹿肉の注文はダイレクトメッセージで)
「やまなしジビエ」の取り扱い店など、くわしい情報はこちら >
「おいしい未来へやまなし」のサイトへリンクします
清らかな水、降りそそぐ光、豊かな緑
恵まれた環境のなか、大切に育まれるやまなしの農畜水産物
食べる人の笑顔を想像しながら、そのおいしさは進化を続けています
先人から受け継がれてきた想いを胸に、知恵と技術に工夫を重ね
持続可能な社会の実現を目指した取り組みも始めています
やまなしの未来を、どこよりもおいしい未来にするために
「おいしい未来へ 山梨」のサイトにリンクします
6つのストーリー
それぞれのアイコンからくわしい説明を読むことが出来ます
(「おいしい未来へ 山梨」のサイトにリンクします
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