ライフハッカー編集部様

私は何でもひどく批判的に受け取ってしまいます。誰から言われているか、自分自身に対してかも関係なく、個人的な批判として受け取り過ぎてしまいます。どうすれば、無理やり好意的に解釈しなくても、落ち込まないように批判をコントロールすることができるでしょうか?

Why Bother(なぜかわざわざ悩んでしまう)より

Title photo by Nic McPhee.

 Why Botherさんへ

何もかも上手にできる人なんていません。初めてやってみたことでも、すぐにできる人がごく稀にいますが、上達したり成長したりするには、どんなものでも時間がかかるものです。上手にできる人やノウハウを持っている人が、あなたの足りない部分を指摘してくれた時に「建設的な批判」として受け取ることができれば上達や成長の助けになります。重要なのは、建設的な批判とそうでないただの批判(非難)を見分けることです。さらに、建設的な批判の中から自分にとって有益なものを見定めることです。

■他人からの批判への対処法

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他人からの批判というのは、受け取り方が難しいことがあります。批判している人が、批判の内容について細かく正確に言わない時は特に難しいものです。まず最初に、批判している人が自分にとって重要な人物かどうかを判断しなければなりません。その人の意見を重視するのか? 相手が上司など立場が上の人物の場合、あなたは成功するために批判を重く受け止めなければならないかもしれません。専門家のようにその道に詳しい人の場合は、自分の知っていることをただ語りたいだけかもしれません。後者の場合は、大事なことを話している可能性もありますが、上司に比べれば、もう少し差し引いて意見を取り入れた方がいいでしょう。

Photo by Everett Collection. (Shutterstock).


その人の意見をどれくらい重視するかを決めたら、その中から重要なものを抜き出します。そして、自分に有益な意見として利用します。そのための方法をお教えしましょう。

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  • 言われたことの中から批判を切り離すようにする

    褒められたらうれしくて、けなされたら反論したくなるのは当たり前です。それ相応の反応をするのは普通ですが、言われたことを冷静に受け止めるようにもした方がいいです。賞賛の言葉の中にも、辛辣な言葉の中にも、自分自身の成長の手がかりとなるものがあるかどうかを、見極めるようにしましょう。あなたのことではないという振りをして話している人もいます。言葉の行間を読むようにしてみてください。

  • 自問して確認する

    多くの客観的な意見の中から、すぐに実現できたり、何度も言い聞かせたくなったりするようなものがあるか、ふるいにかけます。「なるほど、理に適っている」とか「どうすればいいか分かりそう」と思うような言葉を抽出するのです。自分のやっていることにも当てはまりそうなものと、そうでないものを分けます。また、嫌なヤツは嫌味なことを言うものですが、それなりの理由で嫌味なことを言っている場合もある、というのをお忘れなく。

  • 自分にとって有益なことは自分の言葉で書き留める

    書き留めることで、高ぶった感情を取り除きます。また、批判から少し離れると、クリアな目で見ることができます。批判を受け取った時の自分の感情とアドバイスを仕分けることが大事です。よりアドバイスに従いやすくなります。

  • 有益なアドバイスを目標に取り入れる

    自分にとって特別な、実行可能なアドバイスを手に入れたら、それを分かりやすいToDoに落とし込みましょう。誰かに「文章が長ったらしくてよく分からない」と言われたら、「文章を書いた後は、余分な文章や言い回しを削ぎ落とす」というToDoを設定するのです。例えば、上司に仕事が終わるのがいつも少し遅いと言われたら、実際の締め切りよりも1日早く締め切りを設定しておきましょう。そうすればもう少し早く仕事を終えることができます。

  • 批判に対する受け止め方を変える

    誰かが「こうすればもっとうまくいく」と教えてくれている時、それがすぐにできることもあれば、落ち込んでしまうこともあります。ここではどのように受け止めるかが重要です。批判をポジティブに受け止められず、自分を奮い立たせることができなければ、あなたは常に落ち込んだままです。批判は成長や上達の機会であり、批判している相手さえも上回るチャンスだととらえましょう。実際には難しいかもしれません。しかし、自分の弱さを受け止め、自分の強みを知ることができれば、最大の武器になり得ます。

Photo by John O'Nolan.


他人からの批判を受け止めるのは精神的にキツいものですが、どのように受け止めるかは選べます。上司から仕事の修正やすべてをやり直すように戻された時は、かなり落ち込むだろうと思いますが、それこそが成長する一番の機会でもあります。上司に仕事を褒められた時は、どのようにすればもっと上達できるのかを聞いてみましょう。批判を右から左に流してしまわないようにすることが大事です。批判がない場合は、探してみましょう。そうすれば、前向きな状態で批判を受け止めることができます。

■自己批判への対処法

他人からの批判を受け止めることは、自分を奮い立たせることに比べれば、まだ簡単かもしれません。自分の頭の中に、「これまで学んできたことが何一つ役に立っていない」とか「どうせうまくいかないから、今朝は起きたって無駄だ」というような言葉が浮かんでしまったら、それを打ち消すのは容易ではないしょう。しかし、不可能ではありません。これからその対処法をお教えします。

まず、自分の頭の中の声を聞く必要はない、ということを覚えておいてください。筆者のお気に入りの音楽家であり、政治コメンテーターでもある「Ill Doctrine」のJay Smooth氏は、頭の中の声を「小さな悪魔」と呼んでいます。上のビデオの中でも、自分の頭の中の「小さな悪魔」の声に従う必要はないのだと、リズムに乗せて教えてくれています。自分の頭の中の声しか聞こえないような最悪な気分の時でも、その声を聞くか、何もしないか、その声をねじ伏せるかは、すべて自分で決めることができる、というのが重要なポイントです。その声を聞きたいと思っている時は、耳を傾けるだけでいい。聞きたくない時は、小さな悪魔を自分で追い払うのです。以下に具体的な方法を挙げていきます。

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  • 信頼のおける人や友だちに聞いてみる

    自己批判的になり過ぎていないかどうかを判断するには、信頼のおける友だちに聞くのが最も手っ取り早いです。耳ざわりのいいことだけを言う人ではなく、正直に言ってくれる人がいいです。自分の行いや考えをその人に伝えて、意見を求めましょう。自己批判をしている頭の中の声は、的確なことを言ってる場合もありますが、自己嫌悪が強過ぎると物事をクリアに見られなくなることがあります。

  • 自問自答する

    本当にそんなことを言っているのですか? 自分を攻撃するだけの十分な理由があるかどうか、自分に厳し過ぎではないかを判断しましょう。もしかすると、何年も何年も、誰かから価値のない人間だと言われ続けてきたのかもしれません。その結果、精神的に自分を追い込むようなことをしていたり、いわゆるウツのようになったりしてはいませんか? そんなことはもう止めて、深呼吸をしましょう。自分のしていることが本当の自己批判なのか、それとも単に自分を責めているだけなのかを判断するのです

  • 一旦離れるようにする

    頭の中で自分を批判する声が聞こえてくると、どん底にいるような気分になります。できることなら、その批判の声から一旦離れて、他のことをしてください。他のことというのは、できるだけ気分がよくなるようなことがいいです。精神的に落ち着いたら、またその批判の声に耳を傾けてみましょう。

  • 他人に伝えるように自分を批判してみる

    自己批判的なことが頭に浮かんだら、それを書き留めます。意味のないものを選り分けて、大事なことだけを抽出します。目的を持って、進めていきましょう。

Photo by Andrew.

頭の中の声が聞こえたら(大抵の人は聞こえるものです)、それは大概ネガティブで、常に耐え難いものだということを忘れないようにしてください。その声は日々の生活や人間関係に大きく影響します。ともすると、実際にうつ病になってしまうかもしれません。頭の中の声が、かつて自分が愛していたものを嫌いになるように仕向けるものであったり、何をするにも困難にさせたりするようなものであれば、どのようにすればいいか専門家に相談した方がいいでしょう。うつ病を甘く見てはいけません。

■深刻に受け止めすぎない

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「そんな深刻に受け取るなよ」と言う人が多いですが、それはあまりにも感情を軽く受け流して、現実逃避しようとし過ぎです。もちろん言っていることはわかりますが、不幸な人間に「幸せになろうよ!」と言ったところで、全く効果はありません。それよりも、真摯に受け止めつつ、時には明るい雰囲気で、批判を前向きに受け取ることができるような精神状態に持っていきましょう、ということです。方法は様々ですが、自信をつけるようなことや、自分が得意なことをするといいでしょう。

批判にさらされていると気づいたら、自分の得意なことをして、そのいい気分を楽しみましょう。助けてくれそうな人に、なぜそれが得意なのかを、できるだけ正直に話すようにします。日記をつけたり、ブログを書いたりすることも、自分がどのように強くなってきたかを思い出すのに効果的です。そうすれば、批判にさらされた時も、自分が耳にしていることは、すべて自分をもっと強くするための糧に過ぎないとわかるでしょう。あなたならできます!

幸運をお祈りします。

ライフハッカーより

Alan Henry(原文/訳:的野裕子)