頭痛にはさまざまな種類があります。その中でも「一般的なもの」の原因、対処法、予防策をご紹介します。全米頭痛財団(National Headache Foundation)によると、少なくとも150種類以上の頭痛が存在するそうです。空腹によるものから遺伝性のものまで原因はさまざま。その中でも一般的なものは以下の3種類でしょう。

緊張性頭痛

緊張性頭痛は最も一般的な頭痛です。軽度から中程度までの痛みがあり、頭の前側(もしくは首の後ろ)に圧迫を感じます。痛み自体はズキズキして不快なものの、それほど重大ではありません。

原因:最も一般的なだけあり、原因は多岐にわたります。不安、目の疲れ、カフェイン、食事、睡眠不足、姿勢の悪さ、ストレス、空腹など。基本的に、何か日常に変わったことがあると、緊張性頭痛が誘発されます。ちなみにアルコールを飲んだ後にもよく起こります。

対処法:薬局で売っている頭痛薬(アスピリンやイブプロフェンなど)が効果的です。痛みがひどくなる前に飲んでください。完全な治癒にはなりませんが、痛みをしばらく遠ざけておけます(ちなみに唐辛子にも効果があります)。もちろん医師に相談するのもよいでしょう。一番いいのは頭痛が治まるまでゆっくり休むことです。また、頭痛を誘発する要因を解決するのも大切。ストレスが原因なら、瞑想が助けになります。空腹が原因なら、食べてください。目の疲れが原因なら、少しコンピューターから離れましょう。

予防策:日常生活から頭痛の原因を取り除くのが大事です。原因を見つけるにはトライ&エラーが必要ですが、大概ストレス、空腹、疲れのどれかです。また、意外に食品アレルギーがトリガーになりもします。今度頭痛を感じたら、一日を振りかえり、何か特別なことがなかったか考えてみましょう。目立った変化があったとしたら、きっとそれが原因です。

二日酔いの頭痛ならこちらのガイドが参考になります。3D映画やパソコンの使いすぎによる目の疲れが原因なら、メガネをかけると治ることもあります(すでにメガネをかけていればレンズを掃除してみるのも手です)。姿勢の悪さが原因なら、矯正するか、人間工学に基づいた仕事環境を整えるとよいでしょう。

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片頭痛

片頭痛は、中程度から強度の痛みが、3時間程度から数日間ほど続きます。たいていは前兆があり、光や音や匂いに敏感になったり、吐き気をおぼえたり、食欲がなくなったりします。

原因:Mayo Clinic」によると片頭痛の原因はまだ解明されていないそうですが、遺伝と環境の両方が原因だと考えられています(片頭痛の70%は遺伝の影響があるそうです)。ホルモンの変化、ストレス、慣れない刺激(おかしな匂いやまぶしい光)、睡眠パターンの変化、時には天気の変化まで、あらゆる変化が片頭痛の原因になります。食生活も影響します

対処法:アスピリンなど市販薬が効かないときは、医師にトリプタン製剤を処方してもらうとよいでしょう。また、前兆があらわれた時にストレッチをすると効果があるそうです。それでもダメなときは、冷却シートなどで頭を冷やすとマシになります。

予防策:たとえ片頭痛が遺伝性だとしても、特定の誘因があるものです。予防策としては、この誘因を見つけて取り除くのがポイントとなります。またウオーキングなどの軽いエクササイズも効果的。まだ確証的ではありませんが、セイヨウフキ(ハーブ)やマグネシウム(小麦パン、アーモンド、ほうれん草などに含まれる)、リボフラビン(穀類、パスタなどに含まれる)も頭痛の頻度を減らす効果があるそうです。適度な睡眠を毎日とることも片頭痛の予防には大切です。

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副鼻腔炎からくる頭痛

副鼻腔炎からくる頭痛は、鼻筋や頰骨、額のあたりが継続的に痛みます。耳の痛み、熱、顔のむくみ、などが併発することもあります。

原因:この頭痛の原因は、アレルギー反応や感染症(風邪やインフルエンザ)による鼻腔の炎症です。鼻腔が腫れて粘液も増え、完全に詰まってしまいます。

対処法:「頭痛そのものを減らすこと」と、「鼻腔の炎症を治めること」の2つを並行して行うとよいでしょう。メディカル系ブログメディア「WebMD」によると、頭痛には抗ヒスタミン剤が、炎症には抗生物質が効くそうです。水分を多くとるのも効果的。加湿器や鼻スプレーも助けになります。

予防:アレルギーと感染症の2つの原因それぞれに、予防方法があります。アレルギーの予防には、加湿器、鼻スプレー、吸入器、首のストレッチなどが効果的。また、ブロメライン(パイナップルに含まれる)、ケルセチン(紅茶や緑茶、ケール、赤タマネギなどに含まれる)などのサプリメントも有効です。もちろん、アレルギー源には近づかないこと。

風邪やインフルエンザなどの感染症対策も大事です。十分に睡眠をとり、手を洗い、タバコやアルコールは控えてください。また、毎日スチーム吸入をすると風邪の予防に効果的です。

冒頭でも述べたように、頭痛には150以上の種類があります。長引くようなら、医師に相談してくだい。診察時によく聞かれることは、「頭痛の頻度」、「痛みのタイプ」、「頭痛以外の症状」、「睡眠パターン」などです。事前に答えられるようにしておくとよいでしょう。

Thorin Klosowski(原文/訳:伊藤貴之)

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