これまでもたくさんのDIYの電子工作プロジェクトを紹介してきましたが、初心者にはハードルが高く見えているかもしれません。しかし、実際は見た目より簡単です。この記事では電子工作の始め方をご紹介します。

感電しないための基礎を学ぶ(または爆発を防ぐために)

まず何より先に、電子工作に入門するなら感電対策は必修です。小さな電流でも人体に大きなショックを与えることがあるので油断は禁物。また、少しの手違いでも機器が爆発する可能性もあります。以下に、基礎を学ぶための参考資料を挙げておきます。

E is for Electronics:子ども向けの「塗り絵」ですが、電子工作の基礎や、各部品の役割、専門用語をわかりやすく教えてくれます。あくまで子ども向けの本ですが、大人の入門者にもぴったりです。

Khan Academy(カーンアカデミー)の「電気と磁気」クラス:Khan Academyの電気と磁気の入門クラスは電気の仕組みを学ぶには最高の場所です。すべてを理解する必要はありませんが、静電気の仕組みや、電流の仕組みの基礎は身につけておく必要があります(感電を防ぐためにも)。また、回路の仕組みについても学習しましょう。

Penguin Tutor's Safety Guide(ペンギン先生の安全ガイド):少し古いサイトですが、ペンギン先生は電子工作の安全に関する必要なすべての知識を与えてくれます。「工作するときは電源を抜いておく」などの基本事項から、ヒューズの選び方、応急処置などなどです。

Soldering is Easy(ハンダ付けなんて簡単だ):電子工作ではたくさんのハンダ付けをすることになります。ハンダ付けの正しいやり方を身につけておきましょう。工作系サイト「MIghtyOHM」が提供する小冊子「Soldering is Easy」がハンダ付けの基礎をコミック形式でわかりやすく教えてくれます。

Arduino(アルドゥイーノ:DIYによく使用されるオープンソースハードウエア)で電子工作を始める場合でも、電気の基礎を学ぶことは重要です。感電まではしなくとも、ひとつの手違いでプロジェクトが台無しになることもあります。また、古くなった電子機器が手元にあるなら、分解してどんな仕組みになっているかを確かめてみましょう。子どものオモチャや、故障した電化製品、古くなったコンピューター機器などは、電気の仕組みを学ぶにはぴったりな素材です。オールインワン・キットで始める

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電気の基礎を学び、各部品の働きがわかったら、さっそく電子工作を始めましょう。必要なものがすべて入ったオールインワン・キットもあります。「SparkFunのキットコレクション」は、Arduinoからロボットまでさまざまな自作キットがそろっています。同じく、Adafruitの「プロジェクトパック」や「キット」でも、あらゆるタイプの電子工作プロジェクトを始められます。

別の方法としては、オンラインクラスを受講したり、以下に紹介するチュートリアルでも電子工作の基礎を学べます。Adafruitは豊富なチュートリアルを提供していますし、SparkFunのオンラインカリキュラムには、ハンダ付けの基礎からArduino制作までの幅広いクラスがあります。

ほかの人のプロジェクトから学ぶ

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いきなり自作を始めてもいいのですが、ほかの人の作品から学んでおくと、よりスムーズに取り組めるでしょう。「Arduinoで始めるスタートアップガイド(英文)」でもご紹介した通り、ほかの人のプロジェクトを参考にすることは、電子工作を学ぶ近道となります。

DIYを始めるのに、専門家のような知識は必要ありません。作りたいモノのアイデアさえあれば、あとはそれに合ったチュートリアルを見つければいいのです。米Lifehackerの電子系のページもインスピレーションを探すにはよい場所です。ほかにも、「Instructables」「Hack a Day」「 Make」「Adafruit forums」などのサイトもチェックしておきましょう。

誰かが作ってくれたガイドに従って工作を始めるのは楽しい体験です。自分の作りたいモノがわかってきたら、オリジナルの設計に手を加えたり、より大きなプロジェクトに育てることもできます。また、技術が身に付いてくれば、あらゆる問題を自分で解決できるようになるでしょう。

地域のハッカースペースで専門家のアドバイスを仰ぐ

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自宅にこもって工作するのに飽きたら、ハッカースペースに出かけましょう。熱心な工作マニアたちに出会えるはずです。スペースを探すのはとても簡単。安全な環境でベテランたちから直接教えを受けられることは大きなメリットです。

自分の地域のハッカースペースを見つけるには「Hackerspace」をチェック。多くのスペースでは毎週、毎月のように何かイベントをしています。見学や一日体験もできるはずです。

電子工作ははじめは取っ付きにくいかもしれませんが、見た目ほどには難しくありません。基礎さえ学べば、思いついたものはほとんど何でも作れるようになりますよ。

Thorin Klosowski(原文/訳:伊藤貴之)

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