京大教授が初のトランプ石破会談に懸念。このままではトランプ外交による国益毀損は免れ得ない理由

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今年1月中旬、せっかく受けたトランプ新大統領からの打診に対して「今は準備ができていない」と断ってしまった日本の石破総理ですが、来る2月7日(金)に日米首脳会談がついに行われます。一度断った明確な理由は明かされていませんが、次々と新政策を決定しているトランプ大統領の“波”に対して「石破総理は出遅れている」と指摘するのは、京都大学大学院教授の藤井聡先生。藤井先生は自身のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』の中で、この会談で石破総理がトランプ大統領に訴えるべき「問題」を提示しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:トランプとの早期会談を拒否した石破がようやく2月7日に日米首脳会談を決定.石破でも会談しないよりした方がマシだが…石破ならトランプ外交による国益毀損は免れ得ない

ついにトランプ大統領との初会談が決定。石破総理は何を訴えるべきなのか?

石破首相が今週金曜日の2月7日に、訪米の上、トランプ米大統領と会談することとなりました。安倍昭恵夫人とトランプ大統領が面談されたことが契機となり、石破・トランプ対談の機会が大統領就任前の1月中旬の段階で模索されたことがありました。

下記NHKの報道の通り、「トランプ側から打診」があったのですが、見送りとなりました。

“石破首相と会談 1月中旬に米で” トランプ氏側から打診

せっかくのトランプからの申し出だったのですが石破氏側から、「もう少し準備してから会いたい」と言う理由、すなわち要するに「時期尚早」という理由でその機会は見送りとなりました。

なんとも恐るべき話ですが、その理由については、日本テレビの元政治部次長の青山和弘氏が、当方と同じTV番組「正義のミカタ」に出演した折り、「安倍さんと同じことをするのは避けたかったからではないか」と発言されていたように、さして明確な理由があったとは言えないようです。

そもそも、トランプ大統領に「媚びる」という理由とは別次元で、日米首脳会談は一日も早く実現することが必要でした。

なぜなら、トランプ大統領の「対日政策」についてはもちろんの事、「対中政策」や「対朝政策」「対露政策」は、日本の国益に大きく左右します。しかしそれにも関わらず、トランプ大統領は、1月20日の政権樹立以降、凄まじい速度で様々な政策方針が決定し続けています。

したがって、日米の首脳会談が遅れれば遅れる程、そんな日本の国益に大きく関わる諸政策が、「日本の事情」を十分に反映しないまま、アメリカの極東についての、あるいは、日本についての不正確かつ不十分な認識に基づいて決定されてしまうリスクが高まります。

だから、アメリカに媚びるとか媚びないとかという話とは別次元で、いち早く日米会談を行い、日本の事情、極東の状況をより正確、かつより豊富にトランプ政権側に伝え、日本の国益に関わるアメリカの諸政策が日本の国益に僅かなりとも貢献する方向に、あるいは、日本の国益を毀損しない方向に、僅かなりとも修正することを試みることが、日本のリーダーたる総理として極めて重要な振る舞いとなるのです。

それにも関わらず石破茂は、早期のトランプとの会談を「蹴った」わけです。全くもって理解しがたい話ですが、それが石破茂という政治家の実態なのです。

…とは言いながら、ようやくこの度2月7日に対談することが決定したわけです。ついては当方としてはひとまず、より遅くなることと比較してまずは望ましいものと考えます。

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