2012年、米ラスベガスで開催された世界最大のポーカーの祭典「ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー」(WSOP)で日本人として初優勝したのが木原直哉氏(43)だ。東大卒のプロポーカープレイヤーとしてメディア露出も多い木原氏だが、実は「個人投資家」としての顔も持っている。気鋭のエコノミストであるエミン・ユルマズ氏との共著『「確率思考」で市場を制する最強の投資術投資』(KADOKAWA)を上梓した木原氏に、投資をはじめたきっかけ、“本業”であるポーカーとの共通点、そして気になる「稼ぎ」について話を聞いた。
東大卒業まで10年かかった
東京大学理科一類を卒業したのち、プロポーカープレイヤーとして活躍し続ける木原氏。ポーカーと出会ったのは大学の休学中だったという。
「もともとゲーム全般が大好きでした。小学校の頃から囲碁や将棋をやり、大学に入ったタイミングで麻雀やバックギャモンを始めました。実は私、1年浪人して大学に入り、3年留年、3年休学しています。大学を卒業するまで10年かかっているんです(笑)」(木原氏、以下「」内同)
大学には行くものの、授業も半分くらいの出席で、テストは受けても、レポートは出さないといった大学生活だった。そのため単位も取れず、退学を前提に休学するも、休学中にポーカーに出会い、そのおかげで大学を卒業することができた。
「ポーカーに限らずどのゲームも好きでした。しかし、囲碁や将棋はプロになれるレベルではなく、麻雀やバックギャモンは市場が小さい。しかし、ポーカーは勝てる適性があった上に市場が大きい。休学時代にやり込んで勝てるようになり、その稼ぎで学費と生活費を稼ぎながら復学して卒業できました」