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番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第721回 番組審議会

第721回番組審議会が、11月20日(水)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ、ラジオそれぞれの合評番組について審議が行われ、テレビ番組では南海放送が制作した「石鎚山点描シリーズ」について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
「石鎚山点描シリーズ」 ~NEWS CH.4(番組内)~

放送日時:
2021年 7月 2日(金)18:15~18:57
2022年 5月24日(火)18:15~18:57
2024年10月17日(木)18:15~18:57
(南海放送制作)

番組概略

南海放送の夕方のニュース番組「NEWS CH.4」で2020年から不定期で放送中の「石鎚山企画」。普段は遠くから仰ぎ見る西日本最高峰の石鎚山(1982m)に登ってみると、たくさんの登山客や四季折々の風景、そしてそこに暮らす人の生活に出会います。山での出会いと発見を通して愛媛の魅力を再発見してもらおうという狙いで、1回10分程度にまとめて放送。

各委員の意見
  • 風景や気候だけでなく、一の鳥居が作られた経緯、地元住民の方々の石鎚山に対する畏敬の念、ご神像を運ぶ信者の熱意、県内外の登山客の実感などを報じることで、山の実相を浮かび上がらせており、カメラマンがいろいろ工夫されて、季節ごとの山の表情、特に天狗岳の険しさや綺麗さを的確にカメラが捉えていたと思う。
  • 西日本最高峰の石鎚山も人気が今や海外にまで知れ渡っているそうだが、多くの人を惹きつける魅力的な山であることがわかる。森林限界があって、ある程度まで行くと石がゴロゴロしているだけになる富士山とは違って、登りがいのある自然を楽しめる山である点も、さらに人を惹きつけるのかなと思った。
  • 四季折々の石鎚山の姿をまとめて見ることができ、すごく良い企画だと思う。例えば他県の方に愛媛を紹介したり、愛媛の自慢をしたりする時に「石鎚山って素晴らしいよ」「登ってないけどぜひ行った方がいい」と言いたくなった。
  • 本格的な登山者ではない視聴者にも訴えかけるように、頂上山荘の営業努力とも言える最果てグルメ「天狗岳カレー」が丁寧に紹介されており、山のてっぺんに美味しいカレーがあるだけでも名物になると思うが、ご飯をそびえ立つ尖った森のようにしたり、季節に合わせてご飯に振りかけるものを変えたりと、あそこまであれこれ頑張るのかと驚いた。
  • 映像の切り取り企画はとても素晴らしいと思うし、視聴者の関心も湧くものだと思うが、見ている人間は多様なので、ひとたびトラブルや事故が起こった瞬間にニュースに変わるので、その点も踏まえた「NEWS CH.4」内のこの10分企画を今後作られたら、もっと素晴らしい作品になるのではないかと思う。
  • 格段に映像が多かったのが冬の石鎚山で、石鎚の銀世界には息を呑み、冬登山は体力を消耗しますが、それでも人を惹きつけるのは景色の美しさのせいなのか、ピンと張り詰めた空気感と霧氷に覆われた木々の美しさは、なんとも言えない絶景だった。

続いてラジオ番組では、南海放送制作の坂の上のラジオ「『坂の上の雲』の人々と水野広徳」の合評を行いました。委員の主な意見と感想は次のとおりです。

ラジオ番組
坂の上のラジオ「『坂の上の雲』の人々と水野広徳」

放送日時:2024年10月19日(土)12:00~13:00(南海放送制作)

番組概略

旬の話題や愛媛の偉人たちの知られざるエピソードをお送りする"土曜日の大人の図書館"「坂の上のラジオ」。10月18日は「反骨の軍人」として知られる水野広徳(松山市出身)の命日で、今年は80回忌の節目にあたります。そこでこの日の番組の冒頭では、当日行われた追悼法要について、水野の墓がある蓮福寺の山岡宏住職と、水野の顕彰活動を続けるNPO法人アイム愛媛の菅紀子理事長に伺いました。そしてこの日のゲストは「坂の上の雲ミュージアム」総館長の菅康弘さん。テーマは「『坂の上の雲』の人々と水野広徳」。NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』のエグゼクティブプロデューサーを務められた菅総館長に、秋山好古・真之兄弟と水野広徳の3人の交流や共通点、またドラマ制作の裏話を語っていただきました。

各委員の意見
  • 実際にドラマ制作現場に関わって楽しく仕事をした人が楽しく語るお話は、やはり聴いていてとても楽しく、佐伯アナウンサーが「特設ブースのお客様も身を乗り出すように聞いています」といった良い雰囲気づくりの話も挟みながら、菅総館長の滑らかなしゃべりをうまく引き出していたと思う。
  • 学識者である菅総館長が学識的な知識を基に展示の在り方を語られたことについては、私自身も仕事の管轄範囲なので、とても理解ができるお話でした。全体的にとても価値がある内容だったというのが率直な感想。
  • 今回の番組で、水野広徳の功績とその方の命日に法要が行われていた事実初めて知り、南海放送がそうしたことを長年継続されてきたことも知り、腑に落ちた気がした。
  • 番組の前半と後半で内容の濃さが異なるのに驚き、話しぶりの差が如実に出ていたように感じ、水野の80回忌という節目でもあったので、その節目にあたっての感想なり、あるいは追悼法要で節目なりの行事があったのなら、それも説明すればよかったと思う。
  • 博識な菅さんが秋山兄弟と水野広徳の関係性を説いて、いかにして反戦へと気持ちが移っていったのか、海外留学をした上での実体験、見聞からの思想であることがわかって、当時は時代背景上、反戦を主張することはなかなか難しかったと思うが、それを口にしたことの重さを感じた。
  • 秋山兄弟や水野さんが愛媛が誇る偉人であることは知っていたが、日常生活の中で特に実感もなく、架空の物語の中の人という印象を持っていた。NHKのドラマもきちんと見ていないし、歴史も得意ではないが、南海放送が坂の上の雲ミュージアムの指定管理者になった5 年くらい前から、イベント開催など目にする機会が増えて、にわかに身近に感じられるようになったという実感がある。
  • 水野さんは軍人だったが、第一次世界大戦の折に「戦争に真の勝者はいない」とおっしゃった。また、軍人をやめた後は「ペンで平和を訴える」とおっしった人で、歴史的にも忘れてはならない重要な人物で、今回の番組を聴いて、学ぶことが非常に多く、これからもどんどん啓発活動を続けて欲しい。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社常務取締役常務執行役員