マルエツ 本間社長/店舗のデジタル化推進、人事・労働環境を改革

2024年07月26日 17:46 / 経営

マルエツの本間正治社長は7月26日、今後の施策について「店舗のデジタル化を急ぎ、人事制度を変えて安定雇用につなげる」との考えを示した。

<インフラ整備に注力すると本間社長>

同日の「マルエツ 大宮サクラスクエア店」オープン時の記者会見で明らかにしたもの。

本間社長は「セルフレジ、電子棚札、需要予測型発注などで少しでも店の安定化を図り、単価を上げる。従業員の幸せを考えた時に、しっかり報いるためには、生産性をあげて還元する原資をつくらないと会社として成立しない。エブリデイ・ロープライス(EDLP)より、エブリデイ・リーズナブルプライス(EDRP)を目指す。従業員が働きやすい環境づくりを徹底する。

安定的な店舗運営に、マルエツらしい競争力が伴わないと店が繁盛しない。全体設計を見ながら投資も早め、インフラの種をまいていく。電子棚札も推進したい。セルフレジの導入は全店で70%強達成した。お客様に使って頂く事を前提に、会社都合ではなく、お客様と従業員が納得する自動化・デジタル化をなるべく急ぎたい。

『わが店のお客様は今、なにでお困りか』という視点を大事にする。価格が一つのファクターであるかもしれないし、買いやすさもあるかもしれない。ユーザーである生活者、お客様を思い浮かべて、きめ細かく仕事ができるかが大切。お客様のバスケットの中身など、いろんな要素が何かしらのメッセージになる。それを我々が感じ取って、では私たちに何できるだろう、ということを主軸にしたい」と述べた。

人材確保については、技能実習生の雇用を加速させる。2021年に15名体制でスタートしており、今年は200名採用、年度末に計約370人ほどになる予定。新店・大宮サクラスクエア店にも技能実習生が4名いるという。

本間社長は「マルエツの出店地は、最低賃金を守っていればいい立地ではない。それ以上、ある程度の額を提示していかないと、なかなか採用が困難だ。将来、最低賃金が1200円台を迎えた時に、今の人事制度や、社員・学生・パートの区分など、どこかで転換を図らないと安定雇用につながらない。来年以降、人事制度を変えたいと思っている」と話す。

また、従業員の労働環境改善にも力を入れる。6月1日には、身だしなみ基準を緩和し、頭髪などのルールを変更した。

本間社長は「今までのマルエツでは、従業員の髪は黒色だった。今回からネイルもOKにしている。とある従業員に『ネイルができないなら仕事を辞めようと思っていたけど、6月1日から変わったので、私がんばります』と言ってもらえた。だが、手袋など安全・衛生面の取組は継続する。従業員が働きやすい、働くことが楽しいと思ってもらえるようにしたい。

また、新規・改装店では、従業員の休憩室をカフェみたいな雰囲気に変えている。従業員に生き生きとしてもらうこと、従業員の笑顔をつくれることが、きっとマルエツの変革につながると思う。マルエツは本当に変わりたい。従業員とお客様だけを見て、変わるということを皆と一緒にやっていく」と語った。

取材・執筆 古川勝平

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