化学メーカーDICは26日、所有・運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)について、保有作品を4分の1に減らすなど規模を縮小した上で、東京都内に移転すると発表した。同館は国内有数の現代美術コレクションで知られ、現地での存続を求める署名運動が起きていた。
移転先について同社は、交渉中であることを理由に東京都心部の「公益性が高い団体の施設」とだけ説明。移転後はこの団体と連携して運営する方針で、来年3月末までの公表を目指すという。
同社は理由として、完全に運営を中止した場合と比較し、規模を縮小し、移転しての継続が「社会全体に対する好ましい貢献活動」と強調。来館者の増加や運営コスト低減で、収支を大きく改善させるとしている。
残る4分の3の作品は売却。2025年に着手し、少なくとも100億円の収入を目指すという。