中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の日本法人は24日、プラグインハイブリッド車(PHV)を2025年内に日本市場に初投入すると発表した。記者会見したBYDアジア・パシフィック代表の劉学亮氏は、日本事業について「EVとPHVの両輪で成長を目指す」とした。26年以降には日本のEVトラック市場に参入する方針も明らかにした。
BYDは今月10日に日本市場で4車種目のEVとしてスポーツタイプ多目的車(SUV)「シーライオン7」を今春投入すると発表しており、PHVの追加で商品構成を拡充する。
劉氏とともに会見した乗用車事業を担当する日本法人の東福寺厚樹社長は、EVとPHVで「27年ごろをめどに7~8モデルの体制とする」と述べ、PHVについては、EVとの棲み分けを図るため価格水準を慎重に検討し詳細は改めて公表するとした。
日本では充電環境への不安などからEVの普及が鈍い。BYD日本法人の昨年の乗用車販売は前年比5割強の伸びだったが、台数は約2千台の水準にとどまっている。トヨタ自動車やホンダなど国内メーカーのハイブリッド車(HV)に対抗して、充電不足の心配がないPHVを品ぞろえすることで、新たな顧客を開拓する狙いだ。
一方、EVバスを展開している商用車事業は、年内に中型バスを新たに投入するほか、今秋をめどにEVトラックの具体的な計画を公表する方向だ。