大阪は「風評被害を受けている」井上章一さん著「大阪的」が話題に

大阪は「風評被害を受けている」井上章一さん著「大阪的」が話題に
大阪は「風評被害を受けている」井上章一さん著「大阪的」が話題に
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 ステレオタイプ化された大阪像に異論を唱えた、国際日本文化研究センター教授の井上章一さん(64)の本『大阪的「おもろいおばはん」は、こうしてつくられた』(幻冬舎)が話題だ。おもろいおばちゃん、ドケチな商売人、熱狂的阪神ファン、エロの象徴…。それらは「メディアによって誇張された作り物のイメージ」とする井上さんの言説に、大阪人のアイデンティティーと誇りが呼び起こされるようだ。   (横山由紀子)

 ■笑い期待され

 「大阪出身だからといって、東京で面白いこと言うように期待されるのがつらい」「私が言いたかったことを著者が根拠を付けて言ってくれました。大阪は阪神、吉本、たこ焼きだけではありません」

 幻冬舎編集部には、井上さんの主張に賛同する読書カードが毎日のように届く。

 著者の井上さんは、巷に流布する紋切り型の大阪像にメスを入れようと、「大阪まみれ」のタイトルで、産経新聞夕刊(関西圏)文化面に平成28(2016)年4月~30年3月までコラムを連載。これを書籍化した。「メディアによって、一方的にねじ曲げられた大阪像。貼られたレッテルはおかしいと言いたい」と力を込める。

 昨年11月末に刊行され、現在の発行部数は4刷3万部と好調だ。幻冬舎担当編集者の小林駿介さんは、「当初は、大阪に特化した本が、他の地域でどの程度興味を持たれるのか不安でしたが、3万部はなかなかです。こういう本もありなんだと思いました」。

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