12球団監督会議が行われた東京都内のホテルへは、虎番キャップの須藤佳裕とオリックス担当の織原祥平が駆けつけた。関西2球団の両新米監督は、12球団の監督の中で1、2番目に若く、阪神・藤川球児監督が44歳。さらに1学年下にあたる43歳のオリックス・岸田護監督が最年少だ。そんな事情もあってか、織原は「岸田監督は一番乗りで、1時間も前に会場へ来ていました」と報告してきた。藤川監督も「心に火がついた」と語ったが、背筋が伸び、気合が入る行事なのだろう。
プロ野球の発展へ向け活発な議論が交わされ、ソフトバンク・小久保裕紀監督からは投手が打席に入る場合などの「申告三振」の導入についても提案されたとか。申告敬遠にもいまだに「アレ?」と思うときがある虎ソナを、これ以上困惑させないでほしい。制球に苦しむ投手だっているかもしれないのに「相手にアウトを一つ差し出すなんてけしからん!」と正直感じてしまう。
くしくも?甲子園ではこの日、12球団で最も〝ストライクゾーンに3球通すこと〟に苦労しなさそうな男、西勇輝が自主トレを公開していた。西勇のような百戦錬磨&制球抜群の投手が相手なら、たしかに「申告三振」をしたくなるときもあるかもな…。取材したのは虎番の渡辺洋次だ。
「実は僕、西勇投手の故郷の三重県菰野町に行ったことがあるんです。自然豊かなあの町が名投手を生んだんですねぇ」
2018年夏のこと。文化報道部に所属していた渡辺は、吉本新喜劇の取材などでお世話になっていたタレントの間寛平が「12時間耐久きのぼり大会 木―1グランプリ」にゲスト出演すると聞き、三重へ向かった。「寛平さんは、その前年に別のイベントで木から落ちて鎖骨や肋骨(ろっこつ)を折る大けがをしていたんです。復活の場に選んだのが菰野町でした」。リレー方式で、木の上で過ごし続ける過酷な戦い。自身も参加して3メートルほどの高さまで登り、1時間半ほど樹上で過ごした寛平は「もっと(木の上に)いたかったくらい。ア~メマ~!!」と絶好調だった。