ウオッカも敗れたドバイG1ジェベルハッタに注目 ロマンチックウォリアー登録

[ 2025年1月24日 05:05 ]

09年ジェベルハッタのパドックでの武豊騎手と角居勝彦調教師(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】4月の頭に行われるドバイワールドカップデーへ向け、例年1カ月前、2カ月前、3カ月前にそれぞれ前哨戦やその前哨戦につながるステップレースが行われる。

 事態が変わったのは2020年。同じ中東のサウジアラビアでサウジCデーの開催が始まったのだが、これが最後の前哨戦とほぼ同じ日程。すると、良い馬が高額賞金のサウジCデーに流れるようになり、ドバイの前哨戦デーは市民権を得られなくなった。そこでドバイ側は昨年から前哨戦とそのステップレースの日程を入れ替えた。よって本来なら約1カ月前に行われていた前哨戦が、約2カ月前に移動し、ファッションフライデーと銘打って行われることになった。

 今年は現地時間24日に2つのG1を含む全8レースが重賞で行われる(他にアラブのG1が1つ)。2つのG1はドバイワールドカップ(G1)へつながるアルマクトゥームチャレンジとドバイターフ(G1)と同条件のジェベルハッタだ。どちらも、本番でも軽視できない馬が出てくるが、中でも注目されるのがジェベルハッタに登録されているロマンチックウォリアー。昨年は安田記念(G1)を勝ったことでも知られる香港の現役最強馬は、ここの結果次第で次走はダートのサウジC(G1)の可能性もあるようだ。

 さて、このジェベルハッタに唯一出走した日本馬が09年のウオッカだ。同馬はこの時点で日本ダービーや天皇賞・秋など4つのG1を優勝。ドバイも前年に経験(ドバイターフの前身ドバイデューティフリーで4着)していたのに加え、ここは本番よりメンバーの落ちる前哨戦(当時はG2)ということもあり、かなり有力と思われた。しかし、手綱を取った武豊騎手がレース前に「妙におとなしい」と微妙な表情で語ると、その不安が的中。5着に敗れてしまった。

 「環境の変わる海外で国内と同じように力を発揮させるのは難しいですね」

 管理していた角居勝彦調教師(当時、引退)がつぶやくように、そう語った時の悲しそうな表情が今でも忘れられない。 (フリーライター)

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