過度な献金が問題視される世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令が請求されるかが注目を集める中、過去に裁判所が出したオウム真理教など2件の解散命令の記録が廃棄されていたことが明らかになり、裁判所の記録管理のあり方が問われた。この問題の発覚のきっかけは、裁判に関心を持つ都内の大学法学部2年の男子学生(20)による独自調査だった。廃棄を知らされた学生は、裁判所の姿勢を「歴史的資料をないがしろにしているようだ」と疑問視する。 (小沢慧一)
「『オウム真理教解散命令事件』にかかる全記録が特別保存に指定されることなく、『廃棄』されていることが判明しました」—。11月22日、学生がツイッターに投稿すると「なぜそれを捨てていいと思った?」などと裁判所への批判が相次いだ。
学生は小学3年の時、地下鉄サリン事件の特集番組を見て、裁判に関心を抱いた。中学からは法廷で傍聴を重ね、50件近い訴訟記録を閲覧。3年前からはオウム事件の記録をひもとき、研究を重ねてきた。
1995年に東京地裁に申し立てられた解散命令請求の記録閲覧を申請したのは11月半ば。最高裁の内規で、社会の注目を集めた事件は「特別保存」として原則永久保存されるため、「当然あるはず」と思っていた。
◆「驚いて頭が真っ白に」
だが、地裁の担当者から「全記録が廃棄された」と連絡があった。学生は「驚いて頭が真っ白になった。誰もが保管が必要だと思う記録。裁判所は感覚がずれていないか」と、憤...
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