「アメリカ内戦」は絵空事ではない? バイデン氏も注目の映画「シビル・ウォー」が描く分断、メディアへの警鐘

2024年10月8日 17時00分 有料会員限定記事
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 11月のアメリカ大統領選に向け、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領が大接戦を繰り広げる中、内戦状態となった架空の米国を舞台にした映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」が公開中だ。アレックス・ガーランド監督は「民主主義やメディアのあり方について問いかけたい」と分断が進む世界に警鐘を鳴らす。(住彩子)

映画「シビル・ウォー」について話すアレックス・ガーランド監督=東京都千代田区で(池田まみ撮影)

◆トランプ氏は誠実さや礼儀に欠けている

 米国では4月に公開され、バイデン大統領が強い関心を示すなど、一躍注目を浴びた。その裏には、分断の果てにある内戦を絵空事と切り捨てられない米国の現実がある。中道左派を自認する英国人のガーランドさんは、事実をゆがめた発信もするトランプ氏は「誠実さや礼儀に欠けている」として、国内で対立を生む一因になってきたとみる。
 国民の分断が深刻化するのは「(対立する)双方のコミュニケーションが崩壊しているからだ」とも指摘。「右派の人たちが聞く耳を持ってくれても、私が話し始めると6ワードくらいで、もういい、と言う。同じ傾向が左派にもある」

映画の一場面©2023 Miller Avenue Rights LL; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

 対話への希望を込め、自ら書いた脚本では、登場人物たちの思想をはっきり示さなかった。「右派も左派も遮断してしまわないよう、最後まで見て話し合えるような展開を意識した」と語る。

◆メディアは政治のプロパガンダマシンと化した

 しかし現実には、対立はメディアにも及んでいる。「左派はFOXニュースを信じないし、右派はCNNを信じない」。ガーランドさんは「欧米メディアがなぜ信頼できないのか。それは責務よりブランド重視に走っているからだ」と語気を強めた。
 実際...

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