6人組声優アイドルユニット「i☆Ris」が24日、東京・青海のZepp Tokyoで「1st Live Tour2015~We are i☆Ris!!!~」の千秋楽公演を開催。アイドルと声優ユニットの長所を備える“ハイブリッド型”の真価を見せた。
「ⅰ☆Ris」は「アニソン・ヴォーカルオーディション」の合格者6人によるユニットで2012年に結成。全員が主要キャストを務めた14年スタートのアニメ「プリパラ」で人気がブレーク。ライブには超満員となる約2400人のファンが詰め掛けた。
「プリパラ」のオープニング曲「Make it!」で幕を開けたライブでは「Realize!」「ミラクル☆パラダイス」などプリパラシリーズの歴代OP曲に「流星」「Love Magic」などアルバム収録曲も歌われた。アンコールでは新曲「ドリームパレード」が初披露されるとファンも大盛り上がり。茜屋日海夏は「本当にこれが見たかった景色だと思ってうるっときた」とサイリウムで彩られた客席を見つめ感極まった表情を見せ、最後はデビュー曲「Color」で3時間にわたるライブを締めた。
AKB48、ももいろクローバーZなどによるアイドルブームと、スフィアに代表される声優ユニットの人気。その2つをかけ合わせたプロジェクトをやれば成功は容易と考えがちだが、実際に行うと一挙両得とはいかず、帯に短したすきに長しと中途半端なものになりがちだ。
関係者が「i☆Ris」について自信を見せていたのが“踊れること”だ。アンコールを含めて21曲はすべて生歌で、時にアクロバティックな全力のダンスはももクロを思わせるはつらつさを見せる。アイドルとしての地力はデビュー当初の観客の少ないころから秋葉原の劇場などで歌う、地下アイドル的な活動で積み重ねてきたもの。そこに「プリパラ」による声優としての人気が加わった。
ライブでは演じるキャラの声で歌う“キャラソン”も披露。6人の生アフレコからの「Defy the fate」への展開はアイドル、声優のハイブリッド型である「i☆Ris」の真骨頂ともいえる。
ライブ終盤、初のステージへの感謝を述べた後「Zeppに立てたのはうれしいですけど、私たちはここで終わる存在じゃない」(山北早紀)、「ここで止まるつもりはない。もっと次のステージへ」(若井友希)とメンバーが口にしたようにまだ夢への道半ば。メンバーも若く、アイドルファンの醍醐味である成長過程を楽しむ余地も十分に残す。
ハイブリッド型として苦労が見えるのはアイドルファンと声優ファンの相性の悪さだが、2つのファンが融和すれば、大きな力になるのは確実。ユニットはさらに夢へと近づくはずだ。