中国若手俳優の王星(31)がニセのオーディションをエサにタイにおびき寄せられ、誘拐されてミャンマーで特殊詐欺の一味にさせられそうになったところを救出された。まったく同じ状況で行方不明になった中国男性モデルの家族がSNSで助けを求めている。香港メディア「香港01」が9日、報じた。

 中国本土出身のモデルの楊澤琪(25)のいとこは8日、SNS「微博」に「昨年12月20日にタイとミャンマーの国境で連絡が取れなくなりました。王星さんの体験とよく似ています。今はインターネットで助けを求めるしかありません。王星さんの家族に連絡を取り、共同で助けを求め、親戚や友人を救い出したいと思っています。王星が中国に戻ったので、この事件がみんなに忘れられないことを願っています」と投稿した。

 楊が行方不明になった経緯は以下のとおり。

 12月8日、SNS「ウィチャット」のグループで、撮影オーディションの撮影通知を見て、参加し、ビデオ面接オーディションにも合格した。12月20日、楊は北京大興国際空港から出発し、バンコク・スワンナプーム空港に到着。乗務員送迎車に乗って空港を出た後、乗務員が手配した2台目の車両に乗り換え、タイとミャンマーの国境付近に連れて行かれた。

 12月21日、楊が友人たちに苦悩のメッセージを送った直後から連絡が取れなくなり、スマホも電源が入らない状態だった。楊のメッセージを受け取った友人は、すぐに楊の両親に連絡し、一緒に警察へ通報した。

 12月29日、楊は母親とビデオ通話で無事を報告した。楊は黒い服を着てイスに座っているが、目の端に傷があり、状態は明らかに異常だった。その後、通話はすぐに切れた。

 王星のケースと酷似しているだけに、楊もミャンマーを拠点とする中国系特殊詐欺グループに監禁され、電子メール詐欺などを強要されているのかもしれない。

 微博ユーザーは「この件がもっと注目を集めて、だまされた人全員が戻ってきてほしい」「王星より先に行っているだけに心配だ」などとコメントしている。