370歩
ランチを作る今さん(右)と妻の知依さん=地図(1)

 大学西側にあるおしゃれなレストラン「Kon(コン)kitchen(キッチン)」も、30代の夫婦が切り盛り。イタリアンやフレンチなどで修業を積んだ今計実(かずみ)さん(39)が、実家を改装して6年前に開店した。昼前に立ち寄ると、既にお客さんでいっぱい。「地元が下火になるのはさびしい。親孝行も兼ねて盛り上げていきたい」と、幸畑愛たっぷりの自家製パスタを出してくれた。

 580歩
中庭でサークルの話で盛り上がる吉沢さん(左)と喜来さん=地図(2)

 青大の許可を得て、広いキャンパスをぶらり。新緑が心地いい。お昼のチャイムが鳴ると、講義を終えた学生たちで活気づく。中庭にいた3年生の吉沢祐希さん(20)と喜来大智さん(20)はそれぞれ、子どもの居場所づくり、自然活動のサークルに属し、鬼ごっこやハロウィーン、まき割り、イグルーづくりなどのイベントを定期開催している。「子どもの喜ぶ顔が見たいな」と吉沢さん。喜来さんは「中庭にピザの窯を作ったら面白いかも」とアイデアが尽きない。

 1340歩
ねぶた小屋を完成させた幸畑団地地区まちづくり協議会のメンバー=地図(3)

 大学裏門向かいの公園には、20人ほどが集まって、ねぶた小屋の設営をしていた。幸畑団地地区まちづくり協議会のねぶた祭りは、例年より少し早い7月に本番を迎える。実行委員長の張山英和さん(44)は「今年もたくさんの人に参加してもらいたい」と準備に熱がこもる。張山さんは「幸畑ヒルズイノベーション」という組織をつくって青大とも連携、さまざまなイベントを行っており、地域盛り上げのけん引役だ。

 4660歩
館内にある後藤伍長の銅像のレプリカ。「多くの人に遭難事件を知ってもらいたい」と話す山本さん=地図(4)

 <たゆまず進まん 学びの道を> 気分が乗り、幸畑小学校の校歌を口ずさみながら墓苑に向かう。住宅街を抜け、細い砂利道をてくてく。冬はスキーでここを踏破する「リアル雪中行軍」というイベントが人気らしい。苑内には170本もの桜があり、花見スポットとしても知られる。花は既に散っていたが、八重桜が出迎えてくれた。
 1902(明治35)年の雪中行軍遭難は、199人が犠牲に。資料館には映画や小説を見た人が全国から年間約1万2千人訪れる。ガイドの山本正教さん(77)は「これだけ多くの人がなぜ亡くなったのか、ここに来て知ってもらいたい」。時代が変わっても、惨劇を語り継ぐ。

 5805歩
隠れ家のようなレストランを営む樋口さん夫妻=地図(5)

 会社に戻ろうとすると、住宅街の民家に「レストラン&カフェひぐち」の看板が。のどが渇いたな…。うろうろしていると、ちょうど枝切りをしていた店主の樋口容人(まさと)さん(72)が「営業前だけど入っていいよ」と声を掛けてくれた。
 ステーキとハンバーグが自慢の店。堤町から移転して12年目だ。妻のさつきさん(60)は「郊外に来てもらうのは大変だけど、一期一会の出会いを大事にしたい」とにっこり。話が弾み、よくよく聞けば同級生のご両親だった。「仕事、頑張りなさいよ」と励ましの言葉をいただく。ここまで来たら、たまには実家に帰ろう。