写真:塚本 隆司
地図を見る高知県西部を流れる四万十川は日本最後の清流と呼ばれ、カヌーや釣りなどアウトドアを楽しむために多くの人が訪れる。2012年12月に高知自動車道が高岡郡四万十町(四万十町中央IC)まで開通し、交通の便も良くなった。
とはいえ、紹介する「ホテル松葉川温泉」へは、四万十町中央ICから車を30分ほど山道へと走らせなければならない。四万十川の源流のひとつ「日野地川」の渓谷にある山里の一軒宿で、まさに「四万十川の奥座敷」なのだ。
できれば暗くなる前に向かって欲しい。山あいの細く曲がりくねった道を行かなくてはならないからだ。反面、明るい時間ならば、現存する沈下橋で最も古いとされる「一斗俵沈下橋」や棚田の風景など、美しい自然を眺めながらドライブを楽しむことができる。公共の交通機関を利用することも可能だ。詳しくは文末のMEMO欄にリンクした公式ページを参照して欲しい。
写真:塚本 隆司
地図を見る「温泉に来たぁ」と実感できる瞬間は、湯につかったその時ではないだろうか。松葉川温泉の湯は、ヌルヌルとした肌触りが特徴だ。しっとりと肌になじむ感じが、温泉に来た喜びを味わわせてくれる。美人の湯と言われるのも納得の湯だ。
泉質はアルカリ性単純硫黄冷鉱泉。四国でも有数の泉質だという。江戸時代には、万病に効く霊泉としてその名が知られていたそうだ。確かに湯冷めもしにくく気持ちがよい。
写真:塚本 隆司
地図を見る数ある景色の良い露天風呂の中でも、最高の贅沢を楽しめる露天風呂がここにある。眺めは清流と美しい森の風景。BGMは川のせせらぎ。いつまでも浸っていられる極上の時間が味わえる。
特に朝が気持ちいい。山並みの向こうにたなびく雲に日の光があたり、刻々と色合いが変わる様を眺めていると、つい時間を忘れてしまうほどだ。秋には紅葉、初夏の夜には蛍が飛び交う光景などが見られる。
旅の楽しみといえばグルメだろう。ここは高知県。太平洋と四万十川と山の幸が味わえる。名物はなんといっても「子持ちアユの塩焼き」だ。おなかに子がしっかりと詰まるように育てられたアユを年中食べることができる。なかなか口にすることができない逸品だ。一度食べると忘れられない。
もうひとつ、特筆すべきなのが「仁井田米(にいだまい)」。米の香りとうま味に感激するほどだ。夕食で味わいながらも、翌朝の食事が楽しみでたまらなくなる。
写真は、「四万十の和会席」。季節の食材を織り交ぜたスタンダードな夕食メニューだ。朝食にはアメゴの甘露煮などがつき、宿泊費込みで1万円ちょっとと、うれしい価格なのだ。他にも「四万十ウナギ」や「窪川黒毛和牛」「天然アユ」など四万十の幸が味わえるコースがある。
写真:塚本 隆司
地図を見るホテル周辺には、確かに何もない。あるのは自然だけだが、それで十分なのだ。ホテル入り口から川の方へ進むと「つづら吊橋」がかかっている。写真は、橋の上から日野地川を眺めたもの。紅葉シーズンには、素晴らしい風景が広がることだろう。
昔、トロッコ列車が走っていた森林軌道跡など散策コースがある。杉木立の中での森林浴は気持ちがいいはずだ。少し朝食を遅めにして、周囲を散策してみるのもいいだろう。
「松葉川温泉」の魅力を紹介したが、伝わっただろうか。
一度泊まって「また来たい」と思える宿に出会えるのは、本当にうれしいことだ。ここは、四万十川の自然・良質な温泉・満足感が味わえるグルメと、三拍子そろった宿なのだ。日常を忘れ、心癒やされる時を過ごしたいなら、訪れてみてはいかがだろう。きっと「また来たい」と思えるはずだ。
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この記事を書いたナビゲーター
塚本 隆司
好むと好まざるとにかかわらず、一人旅がやたら多い。姫路城が見えるところで育ったためか、城や歴史が大好き。歴史ミステリーを追い求め、現実逃避。新スポット・人気スポットと聞けば、行ってみる。郷土料理と聞け…
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(2025/2/5更新)
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